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銃身には底となる部分に尾栓と呼ぶネジをはめ込み、中に火薬と弾丸を入れるらしい。 火薬が充填される部分を薬室と呼び、銃身の外側に設置してある火皿とつながっているという。火皿には点火薬を入れ、火縄につけられた火が入ることで、点火薬から火薬に引火。薬室内で火薬が爆発し、その勢いで弾丸が発射するらしい。
「敵は――、それだけではございますまい」
一巴はそう嘆息する。
これに挙動不審となったのが、林兄弟である。
恒興が察して視線を運べば、林秀貞・林通具は慌てて視線を逸し、わざとらしい咳払いをした。信長もそれがわかってか、
「俺は、彼らを敵視はしていないぞ」
と、銃身を構えたまま言った。
「勝三郎」
不意に信長に呼ばれ、恒興は肩を揺らした。
「は、はい」
「さっそく試し撃ちをする! 的を用意させろ」
「直ちに」
恒興は射撃用の的を用意し、弾を込め終わった火縄銃を信長が狙いを定める。
「また妙なモノに……」
「やれやれ、困ったお方よ」
聞こえてくる林兄弟の声に、恒興は唇を噛んだ。
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