第九話 帰蝶の危機! 決死の木曽川越え

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 馬上から差し出される手に、帰蝶に迷いはなかった。  忽ち信長の背の人となった帰蝶に、斎藤家家臣が慌て始めた。 「ま、待たれよ! 我が姫をどうされるおつもりか!?」 「愚問(ぐもん)だな」  信長が嘲笑(わら)って、手綱(たづな)を引く。  ただ帰蝶に随行(ずいこう)していた家臣たちの災難は、賊との交戦冷めやらぬうちに、信長に連れ去られた帰蝶のあとを追わせられるという事態が待っていた。   
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