【不倫してるよね?】

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「それが、引っ越すらしいの。アパートの更新で家賃がかなり上がるらしくて。その電話。侑斗のことも訊いてたよ?デートだって言ったら、よろしくって」 「手伝いに行かなくていいのか?」 「大丈夫だよ、遠いし。多分…業者に頼むはずだから」 「そうか、ならいいけど」 「気にかけてくれてありがとう」 そう言って、改めて侑斗の存在を実感する。 この人とならきっと、共に人生を歩んでいくことができるはず。 その後、将来の夢を語り合って有意義な時間を過ごした。 結婚すれば、これが日常になるんだ。 幸せの余韻を感じながら寝る準備をしていると、スマホが鳴る。 もしかしたら侑斗かも?なんて思いつつ確認すると──。 『アッくん』 そう画面に表示されていた。 「あっ、もしもし?」 『春香?今いいか?』 昔からよく聞き慣れた、ぶっきら棒な声。 知らない人なら、怒っていると勘違いするだろう。 「いいけど?」 『お前、わざわざ帰って来なくていいから』 いきなりの『お前』呼ばわり。それに主語も何もあったもんじゃない。 でも私には、相手が何を言っているのか分かる。 それくらい、付き合いが長いんだ。 『俺が手伝うし、仕事仲間にも声を掛けたから心配すんなよ』 「うん、ありがとう」 私はお礼を言った。 幼馴染に。
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