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※シーン01:日常のスパイス♪
本物執事×偽物執事2~それは確かな痛み~
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※シーン01:日常のスパイス♪
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(それはいつもの日常。瀬本朱亜(せもとしゅあ)として、…『クソ野郎達にこき使われる、小間使いに近い男』としての日常。でも…)
仕事が終わってから、俺(瀬本朱亜せもとしゅあ)はあたし(涼風すもあ)に戻って、いそいそと自室でとあるアプリを開く。
「あら、もあもあさん!こんばんは♡」
「たぬちゃんさん…!」
思わず感動のあまり、泣きそうになる。いや、心の中では洪水並みに流れ出ている。
液晶の向こうで、憧れの女性があたしの名前を呼ぶ。
それは決して本当の名前ではないけど、でも。
ただのあたしを知ってくれてて、仮の姿とはいえ、あたしを認めてくれるのが嬉しくて。
普段のダサい朱亜(しゅあ)とも違うあたしを。肯定してくれたようでもあって……。
大好きな人と、秘密を共有しているようで、それはとても嬉しくて。
あたしの灰色だった世界・そんな毎日を確実に色付けてくれた——。
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