美しいユリ

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「りりぃちゃんが結婚? えー、マジかー!」  とある昼休み。学食で、友だちからバッドニュースが伝えられた。オレの推し、コスプレイヤーのりりぃちゃんが結婚するなんて! 「お相手は有馬優駿のレイヤーで、高校の同級生、だってよ?」 「あー、くっそー! なんだよー! クラスにこんなかわいい子がいるなんて、どんな高校なんだよー!」 「まぁまぁ、そうキレなさんな」  友だちがジュースを奢ってくれた。ありがたくもらって、悲しみをジュースでごまかした。 「もしかしたら、普段はクラスで目立たない子が、コミケとかではじけてるかもしれないじゃん?」 「そんなアニメみたいな話、あるわけないじゃん! くそー!」 「帰りにカラオケ行って、アニソン歌おうぜ」 「おお! オレの失恋パーティーしてくれ!」  ふと、クラスの地味子と目が合った。こんな子が化けて、美人だったりして……。 「そんなわけ、ないか」  ポツリと呟くと、学食を後にした。  もしかしたら、クラスにそんな子が、いるかもしれない……よ?
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