第1話 僕と結婚してくれないかい?

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第1話 僕と結婚してくれないかい?

「ん」 ベッドでゴロゴロしながら雑誌を読んでいたら、携帯がメールの通知を告げたので手に取る。 「きた!」 差出人はこのあいだ面接を受けた会社で、反射的に起き上がり姿勢を正していた。 ドキドキしながらメールを開き、【採用】の文字でほっと息をつく。 三ヶ月前にとある事情で会社を辞めて就職活動しているが、今のところ全戦全敗だった。 ようやく採用、しかも本命の会社となれば、嬉しさもひとしおだ。 さらにスクロールしていき、記載されている内容を確認していく。 しかし、ある一文で止まった。 そこにはこう、書いてある。 【追加条件社長との婚姻】 「んー? んん?」 意味がわからず、何度も見直すが文面が変わるはずもない。 「問い合わせ、するか……」 ベッドの上で正座したまま、私は採用された会社『Sky End Company(スカイエンドカンパニ)』に電話をかけた。 大学を卒業して六年勤めた会社、『コサイデザイン』を私が辞めたのは、些細……とはいえない理由からだった。 「よっ!」
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