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できれば僕も両親に気づかれることなく、もう二度と彼らが口出しできない環境を作ってしまいたい。
そして夏音との幸せを掴むのだ。
そのための時間が欲しかった。
「じゃあ、交渉成立ね」
こうして僕と彼女は共犯関係になった。
携帯は母に取り上げられ、常に母の監視の目があったが、夏音との連絡手段がなかったわけではない。
しかし、しなかったのは計画の漏洩を恐れたのと、声を聞いただけですぐにでも彼女のもとへ帰りたくなるからだ。
今は優しさは必要ない、非情に徹しなければ。
……それでも。
もう一度、夏音が去っていった方向を振り返る。
いくら事情があったからといって、夏音はこんな僕を許してくれるだろうか。
ううん、許してくれなくてもいい、彼女が幸せでありさえすれば。
早く全部片付けて君のもとへ帰るよ。
だからそのときは存分に、僕を罵っておくれ。
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