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最終話 私の幸せは私が決める
有史さんが急にいなくなったので、会社はとにかく忙しかった。
「夏音さん。
この件、どうします?」
「私が引き受けるよ。
あとは大丈夫?」
「あー、あるっちゃあるんですけど、そんなに引き受けて大丈夫っすか?」
心配そうに磯田くんが眉を寄せる。
「これくらい全然平気だよ。
元ブラック勤務、舐めんな」
それに、おどけるように笑って答えた。
「無理はせんでくださいね。
夏音さんが倒れたら天倉社長が……スンマセン」
私に睨まれ、彼がすまなそうに肩を寄せる。
「全然大丈夫だから、どんどん仕事持ってきていいよ」
「あー、はい……」
最終的に磯田くんは、微妙な笑顔で去っていった。
有史さんがやっていた仕事が宙に浮き、代わりに誰かがやらなければならない状況になっていた。
それを全部、私が引き受ける必要はないのはわかっていたが、今は忙しくして有史さんを忘れていたかった。
「ひっさしぶりー!
……って、三日しか経ってないか」
バタバタやっていたら、檜垣さんが顔を出した。
彼とはあのパーティのあとから会っていない。
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