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あれから檜垣さんはスカイエンドの社長を辞任し、有史さんが復帰した。
最初からその気というか、彼が一時的に社長になり、会社を守ってくれたのだ。
もう、檜垣さんには一生頭が上がらない。
これから檜垣からの仕事は全部、タダで引き受けなきゃだねと、有史さんも言っていたくらいだ。
これでようやく日常が戻ってきて、カドも問題なく完成。
今日は完成記念パーティ兼私たちの結婚式だ。
神父に扮した末石専務の前に、ふたり並んで立つ。
「永遠の愛を誓いますか」
「はい」
「では、誓いのキスを」
有史さんの手がベールを上げ、顔が近づいてくる。
まもなく、唇が重なった。
ここまでいろいろあったけれど、もう二度と、私たちは離れたりしない。
そう、誓ったんだもの。
「夏音ちゃーん、おめでとー!」
檜垣さんがひときわ大きな拍手を送ってくれる。
俺はやっぱり、仕事一筋でいいやと彼は笑っていた。
今度は肉好きらしく焼き肉店のオープンを計画している。
その店の内装のデザインも、頼まれた。
『私でいいんですか?』
『夏音ちゃんがいいの』
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