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さらに気に入らない人間のデザインにはなにもなくてもケチをつけ、いびった。
「お前、クライアントの要望にも応えられないなんて、会社員に向いてないんじゃないか
さっさと結婚でもして辞めたらどうだ?」
嫌らしくニヤニヤ笑う部長の前で、佳子はうっすらと涙を浮かべ、落ちないように耐えていた。
「ああでも、お前みたいなブスでデブでクズが、結婚なんかできるわけないか。
すまん、すまん」
わざとらしく声を上げ、部長が高笑いする。
……クズはオマエだろうが。
ボールペンを握りしめる手に力が入り、ミシリと音がした。
「……酷い」
小さくぼそりと、佳子が落とす。
「ああっ?
なんか文句でもあるのか?」
けれど部長は片腕をデスクにのせて軽く身を乗り出し、佳子に凄んだ。
次の瞬間、びくりと大きく身体を震わせ、佳子は泣きながら走り去ってしまった。
「お前らも女だから許してもらえるとか甘えるなよ。
まったく、無駄な時間取らせやがって」
これ見よがしに舌打ちをし、部長は椅子に座り直した。
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