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「正体は分かっているんだ。お前は牛肉ではないな。この豆腐め!」
大五郎は今夜のメインメニュー、豆腐ハンバーグを2つに割り、その中を指でさしていた。大五郎の娘は呆れたように母親に言った。
「お母さん、またお父さんが変なことを言っているよ」
「良いの、良いの。お父さんは推理小説を読みすぎなの。さあ、早く食べましょ」
「この前は『海賊王に俺はなる!』って言っていたのに今度は名探偵!?」
「お父さんはすぐ影響されるの。海賊王の前は海パン姿でいろいろなポーズをしていたでしょ」
娘はため息をついて父親のほうを向いた。
「お父さん、嫌なら食べなきゃ良いじゃん」
「安心してくれ。俺は豆腐ハンバーグが大好きだ」
大五郎は豆腐ハンバーグをひと口食べた。
「美味いな。メタボの俺にはちょうど良い」
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