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「こんなところまで甘くなって……君はどれだけ私を夢中にさせれば済むんだ」
蕾がヒクついて、雄を誘っているのがわかる。マウォルス様は舌を尖らせて差し込み、入り口をくにくにと拡げるように動かした。唾液が注ぎ込まれる。
「あっ、ひぅ!……ま、マルスさまぁっ……お……おねがいっ」
じわじわと腰に快感が溜まり、けれど決定的な何かが足りなくてイケない。おれはソファの座面に顔を押し付けながら腰を揺らした。はやく、大きなもので中を掻き混ぜてほしい。
心の声が届いたのか、はたまたマウォルス様も限界だったのか、とっくに臨戦態勢となっていた剛直が後孔へあてがわれた。
「ジューノ、挿れるぞ」
「んっ。きて……マルスさま……はぅッ。ん〜〜〜!」
懸命に花開いた蕾がマウォルス様の大きな亀頭を受け入れ、包み込む。そのまま狭い隘路に道をつけるように出し入れされると、敏感な粘膜が擦られ腰が震えた。
マウォルス様が背中に覆いかぶさる。屹立の角度が変わって、遠慮なく快感のしこりが押しつぶされた。マウォルス様はおれの項に舌を這わせる。すでについている歯型を甘咬みされると、触られてもいない花芯から精液が零れだした。
「んあ!あ゛〜〜〜〜〜!も、きもちいの、と、とまんないぃ……っ」
おれが達してもマウォルス様は止まらず、ズクズクと規則的な動きを繰り返す。生理的な涙を浮かべながら顔を上げて振り返れば、すかさず唇が吸われた。
無理な体勢なのに、それでもキスを続けてしまうのは愛を感じるからだろうか。
「んむっ。はあ、まるす、さまぁっ……すき……だいすき……!」
「あぁ。ジューノ、愛してる……!」
そう告げてマウォルス様は、おれの中に愛を注ぎ込んだ。あつい。あつくて……きもちいい。
執務室にふたりぶんの荒い呼吸音がこだましている。当初の目的を完遂できて、大満足だ。けど……
「ねぇ、マルスさま……もっかい、しよ?」
「ぐぅッ。……い、いいのか?」
まだまだ身体が熱くて、収まらない。もっともっとたくさん肌を重ね合わせて、マウォルス様から離れたくなかった。自分の薄い腹を撫でる。
「マルスさまの子種、ここにたくさんほしいなぁ」
「じゅ、ジューノ?まさか……」
マウォルス様はおれの首筋に鼻を寄せ、スンと嗅いだ。その仕草がくすぐったくてクスクスと笑ってしまう。
「発情期が、きたのか……」
「んー?ねぇねぇ、つぎは顔見ながらしたいな……」
おれは甘えたな態度が、自分でも演技なのか本音なのかわからなくなっていた。なにを言ってもマウォルス様はおれを許して、甘えさせてくれる。そのことが幸せで仕方がない。
起き上がって正面から抱きつけば、後孔からトロリと子種が漏れでる。その感覚に小さく喘ぎながら次を強請ると、マウォルス様はおれを抱え上げ寝室へと急いだ。
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