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「あ゛!これ、やば、いいっ……あっ、あん!きもち……あ、ぁ。ひゃあ!?」
項に舌を這わされて、気持ちいいような怖いようなごちゃまぜになった感覚がおれを襲った。ぞわぞわと鳥肌が立つ。
両腕がおれの両脇に下ろされ、マウォルス様が覆いかぶさっている重さ、熱を背中に感じる。あぁ……後ろにいるのはおれを屈服させるオスだ。
熱棒に擦られるところ、叩きつけられるところ、お腹のなか全部が気持ちよくて……腰から下が溶けてしまったみたいに快感以外の感覚がぼんやりとしている。
絶えず愛液が分泌されているせいか、はたまたマウォルス様が注いだ精液なのか、パチュ!バチュ!と濡れた音が部屋に響いて淫猥な雰囲気がただよう。ここ、どこだっけ?
おれの身体はとっくに制御を離れて、なんども繰り返し達していた。極まるたびにギュッとマウォルス様の半身を締めつけ、そのたびに彼の大きさと硬さに圧倒された。
そのうちマウォルス様はさらに腰を押し付けて、おれの奥の行き止まりへキスするように捏ねはじめた。そこ……そこは、きもちよすぎて、こわい。
「……すまない」
「――?んん~ッ。だ……だめ……あ!そこ、それ以上は……あ、あ゛~~~~~!!!」
ズプッ……とマウォルス様の亀頭が結腸に入り込んだ瞬間、項にガブリと噛みつかれた。
世界が真っ白になって、なにもない空間に放り出されたような解放感にガクガクと震える。それと同時に全身の血が沸くような不思議な感覚……
自分が自分でなくなってしまうかのような感覚に、おれは知らず涙を流していた。
数瞬のうちに、いま感じているものが強烈な快感だと気づいて、そのあとはもうぐちゃぐちゃに交わった。
「まるす、さまぁっ。もっと……」
「あっ。キス、してぇ……それ、きもち……すきぃ」
「あぁ、ジューノ……!」
朝だ、と思って目が覚めた。
ここはどこ?いまはいつ?おれは……ジューノ=カンピドリオだな。それはわかる。
アヴェンティーノ伯爵家へと向かう途中で発情期を迎えてしまったのは思ってもみないトラブルだった。
それで、それで……
「うわぁぁあああ〜〜〜!」
なんてことだ。はじめてを見知らぬアルファに……ちがう。おれの伴侶になる人の兄なんかに捧げてしまった!!
まさかマウォルス様がアルファだったなんて、発情期に入るまで全然分からなかった。ベータ以外の人に初めて会ったからな……
たぶんおれのフェロモンのせいで、ラット?っていう状態に入っていたんだろう。アルファも発情するって本に書いてあった。だから、あの事故はおれのせいでもある。
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