デジタルタトゥー

伝える言葉と思い込み

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「──なんでぇ?!　ここムズすぎるよぉ!!」

画面にはゲームオーバーの文字が浮かび上がり、私はマイクに向かって少し誇張した声を出す。
横目でコメント欄を見てみると、視聴者は様々なコメントを書き込んでいる。

笑っているものや励ますもの、アドバイスするものなど様々なコメントが勢いよく流れていく。想像通りだ。

──私が配信を始めて学んだことは“すこしバカな方が人気が出る”ということだった。

完璧な人間が完璧な配信がもしできれば、それはとても興味深いものなのかもしれない。
しかし、完璧とは裏を返せば“指摘できない”ということだ。

完璧な人の完璧な配信というのは興味を持たれても、面白い楽しいと思われるかは別問題なのだ。

学校で真面目に淡々と授業を進める先生より、すこしふざけながら授業をする先生のほうが人気がある。

配信もすこしバカなところを晒したほうが、楽しい面白いと思えるポイントになるし視聴者はコメントしやすいのだ。

私は一通りコメントを読むとゲームを進めようとする。
しかし、あるコメントが目に留まる。

『下手すぎだろ頭弱すぎ』