伝える言葉と思い込み

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ちらりと配信時間を見る。 どうやら2時間弱やっているらしく、私はゲーム内容を保存して雑談をほどほどに配信を閉じた。 配信が終わり、喉が乾いた私は冷蔵庫に向かおうと椅子から立とうとする。 ちょうどその時、スマホからのバイブレーションの音が聞こえてきた。 振り返ってみると画面には新着通知が表示され、どうやらXのDMに新着があるようだ。 机に置いたスマホを持ち上げDMを確認すると、私はため息を漏らす。 『配信おつかれさま〜。今日もかわいかったよぉ? 頑張ってて偉いよ! 次も楽しみに──』 またこの人からか......呆れる。 というかなんだこの長文。文章を読まずにスワイプするが一向に途切れる気配もない。一体何百文字あるんだ......さらに改行なしで読む気にもならない。読ませる気があるのだろうか? 心の底から軽蔑する。配信活動をするようになって感情豊かになって嬉しい反面、こういうマイナス感情も豊かになるのは嬉しくない。 結局私は何も読まずにスマホを切って飲み物を飲みに行く。 冷蔵庫からコーラを取り出し数口飲む。冷たいコーラが食道から胃に流れ落ちるのを感じる。 配信で気づかなかったが今日はまかないのペペロンチーノしか食べていない。
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