遠くになった初めの一歩

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そんな初めの一歩は今では遠くの小さな足跡となり、配信を始めて1年でチャンネル登録者数は5万人になり、活動開始から1年と半年経った今では9万人を超えた。この数週間でさらに人気が出てきている。 配信活動を頑張った私は報われた──。 そんな気がした。 最初の頃、私は仕事をするだけの人間で1Kのアパートの自室には最低限の物しかなく殺風景だった部屋だったが、今では視聴者から時々貰う人形などのプレゼントで圧迫され部屋は狭く感じてすらいた。 眼の前にあるいくつかの機材。 最初は何が何なのか分からなかったが、今では自分の手足のように扱えるようになり配信者としての私は最初と比べて心に余裕ができていた。 私はふと配信に来ている視聴者数を確認する。“1024人”という小さい文字で表示されており、今の配信時間をみると1時間35分と表示されている。 最初の頃とは大違いの数字だ。 私は視聴者のコメントを読みながら雑談をする。なにか私が言うと視聴者はすぐにコメントを書いてくれる。なにか分からないことがあると視聴者はすぐにコメントで教えてくれる。 これだ......。これがやりたかった。 1年と半年続けてよかった。私は始じめの一歩を踏み出した過去の自分を褒めながら、満足感に浸っていた。 「私もっともっと頑張る! だからみんなも私に付いてきてね!?」 私は固い意思を持って視聴者に言う。 『ずっと応援するよ!』
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