遠くになった初めの一歩

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コメント欄では視聴者達が賛同している。賛同のコメントが流れるたびに私の心が満たされていき幸福感が募っていき口角が上がってしまう。 配信を始める前とは大きく違い、今は本当に幸せだ。視聴者には感謝してもしきれないくらいだ。 時計を見て今の時間を確認しする。私は配信を閉じようと視聴者と数分雑談をして終了ボタンを押した。 椅子から立ち上がる。2時間弱座って喋り続けると流石に疲れるが、声を出すとストレスも減るし承認欲求は満たされるしで止められない。 「──今日はもう寝よ......」 もうすぐ夜の12時になる。明日も仕事だ。私は冷蔵庫から2Lのコーラを取り出しペッドボトルのまま直飲みで数口飲む。 一人暮らしで恋人もいないと、いつしか人はコップを使わなくなりペットボトルのままで飲んでしまうのだ。 満足した私はベッドに入りそのまま目を閉じた。 ──静寂な世界で耳を破るかと思うほどの大きい電子音が聞こえた。私は不快感で目を覚まし枕元に置いたスマホを鷲掴みにして見てみると8時のアラームを鳴らしながら画面で時刻を表示していた。それを速やかに解除して体を起こす。 まったく寝た気がしない。数十秒目を閉じて開けただけのような睡眠。しかし外は明るくなっており時間は数時間確実に進んでいた。 私は理不尽さを感じながらベッドから出て身支度をする。洗面所に立つと、疲れも取れずにいる私の顔が鏡に映る。
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