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スマホを置き手を両膝に叩くように乗せ、パソコンと向き合い深呼吸する。緊張はまだあるし不安もあるけど逃げる気はない。
ファンに声に応えるために私は配信開始のボタンを押した──。
横目で登録者数を確認する。
98,787人。さっき見た時とあまり変わらず、あと1000人以上をこの耐久で集めなくてはいけない。
コメント欄を見るとすでに何人かの視聴者がコメントを送ってきていた。その中には、いつも遅刻してでも来てくれるあの人もいる。私は緊張と嬉しさが溢れていくのを感じながらみんなに挨拶をして雑談を始めた。
雑談をしていると続々視聴者が増えていき時折挨拶を返しつつ雑談を楽しんでいた。
雑談の内容はこれまでの配信活動のことだった。
最初の頃から見てくれているファンや最近来てくれるようになったファンが仲良くコメントを送ってきている様子は、これまで私が配信を続けてきたからこそ見られるものだ。
だが私の配信に来てくれなくなったファンも多い。
なんの前触れもなくある日を境にぱったりと来てくれなくなってしまう。心配になってXを見てみると他の配信者のところへ旅立ってしまっていた。他の配信者に向けた応援のポストを見てしまって、もう来てくれないのだろうと悲しんだ日は多かった。
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