気持ちいい夢

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もう一曲、もう一曲。私は次々に歌っていく。 ふと配信時間を確認すると始めてもう2時間が経っていた。 コメント欄も盛り上がっていて、チャンネル登録者数に目を移すと、 『ミカ姉chチャンネル登録者数99,654人』 あと346人で10万人まであともう少しだ。 私は気合いを入れる。 歌リストの残弾はまだ余裕があり、トリガーハッピーに歌いまくっても大丈夫だろうと思い、次の曲を歌おうと準備し始めたときだった。 急に空腹感が襲ってくる。 胃が細長く萎縮しているのがわかり、お腹が今にも大きな悲鳴の音を出してきそうだ。 恥ずかしいからお腹には鳴ってほしくない。プリンを取ってきて食べたいが咀嚼音を配信で流すのはみんなが嫌がるだろう...... 私は仕方なくミルクティーを飲んで空腹感を紛らわす。 紛らわすといってもミルクティーは歴史的に見れば、1日の活力を与えてくれるありがたい存在なのだ。 ──産業革命の時代。 高貴な飲み物だった紅茶は労働者にも広まっていき、プランテーションの大規模展開により砂糖も安価になった。労働者にはキッチンといえる設備もなく、お湯でできる紅茶はカフェインの摂取ができて、さらにカロリーの高い砂糖と牛乳で労働者たちの活動意欲を上げていたのだ。
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