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私は助けを求めるようにミルクティーを空腹な胃に注ぎこんでいく。
食道を流れていき胃に溜まっていくのが伝わってくる。
空腹のエネルギー不足で霧がかった頭の中も砂糖の甘さでクリアに霧が晴れた。
雑談を少し続けた後に歌を再開する。
コメント欄は盛り上がったままで登録者も少し増えている。私は嬉しくなりその後も歌い続けた。
──配信開始から3時間くらい経っただろうか。
手元のスマホで歌詞を見ながら歌っているときだった。視界に入っていたコメント欄の流れが急に速くなり、どうやら大量にコメントが送られていると理解したときだった。
一瞬そこに見慣れない赤いコメントが見えた。
(もしかしてっ──)
とっさに歌うのを中断して慌てながらコメントに目を移す。前屈みになって見間違えてないか1秒ほど目をよく開き、よくみんなのコメントを凝視した。
そして、そこには絶景があった──。
コメント欄には『おめでとう』で埋め尽くされ今までには見たことのない速さで流れていき、中にはスーパーチャットで1万円や3万円も送ってくれている人もいた。
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