デジタルタトゥー

気持ちいい夢

私は大声で部屋中を走り回りたいのを我慢してチャンネル登録者数を確認した。

『ミカ姉chチャンネル登録者数１００，００３人』

「１０万っーー！」

思わず息を飲んでしまう。

夢の数字だ。

夢にまで見て、朝起きて無理やり現実に引き戻され諦めていた数字だ。
それが、その数字が今現実になった──。

頭の中で何かが溢れて弾けるような感覚。
幸福で心地よくて、でも落ち着かなくて興奮する不思議な気持ちいい快楽。

私は叫ぶようにみんなに感謝を伝えようとする。

「......あ゛り゛が゛と゛う゛ーーー!!」

みんながコメントで『おめでとう』と送って返事をしてくれるが、私は自分の声がまるで妖怪の雄叫びのような声に驚いてしまっていた。
みんながドン引きしていないか不安になるがコメントを見る限りみんなは気付いていないようで安心した。

時計を見ると深夜の２時を過ぎていて、配信時間はどうやら３時間半くらいやっていたらしい。