プロローグ
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「海見に行こうよ!」 膝下程のスカートの裾をわずかに両手で持ち上げ、波に合わせて行ったり来たり、無邪気に遊ぶ彼女を僕は砂浜に座り眺めている。 初夏の日差しが穏やかな水面を照し、キラキラと輝く光が彼女を包み込む。まるで宝石の様だった。あまりの美しさに見惚(みとれて)いた。 彼女は僕の視線に気付いたかのように、振り返り微笑みながら小さく手を振った。 『綺麗だよ。希。』
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