第10話 みゆきはツーリングサークルの初代部長だった。

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第10話 みゆきはツーリングサークルの初代部長だった。

 ブォン ブォン 「こんにちは。ようこそツーリングサークルへ」  俺達の前に出て来てたのは久月悠馬だ。  俺とみゆきはバイクを降りて辺りを見渡した。 「おい誰だよ。スーパーカブに乗っているやつ」 「「あっはっは」」  俺は拳を握り締めた。 「俺をコケにする為に俺達を呼んだのか?」 「すまん。彼らは感情が昂っているだけだ。許してくれ」 「ふんっ」  久月悠馬は彼らの前に立った。 「皆んな聞いてくれ‼︎」  誰もが久月悠馬に目を向けた。ふかしている奴らもだ。彼は俺達を呼んだ。 「紹介する新藤みゆきさんと椎名真一さんだ」 「新藤みゆきって初代部長か」 「「「わぁー」」」  歓声が凄まじい。  誰もがみゆきの前に集まり彼女の事を讃えた。  その輪から一人の男が出て来た。 「初めまして、神崎祐二(かんざきゆうじ)です。」 「彼に副部長をやって貰っている」 「彼が椎名さん。部長や達也とのバトルを見させてもらいました。あのテクニックには感動させられました」 「ああ、ありがとう」  そして、結城達也、久月和泉、久月悠馬とのバトルが映像で流れる。 「どうやって録したんだ」 「バイクにカメラを搭載しています。ドライブレコーダーと同じような物です」 「ふ〜ん」  悠馬が説明をしてくれたがさっぱりだ。バイク以外は興味ない。 「椎名さん、インカム使いますか?」 「いらねぇ。俺は自分の耳で確かめるんだ。そんなのつけていたらエンジン音が聞こえねぇ」 「分かりました。必要になったら神崎に行って下さい。それと」  久月悠馬はそこで区切り 「彼らに勝ったら関東一といっても過言ではない。うちのサークルは中型で関東一の実力があります。頑張って下さい」 「悠馬君。彼に変な事吹き込まないで。あたしのお腹に赤ちゃんがいるのよ。死んでもらっては困るわ」  久月悠馬は目を丸くした。みゆきに赤ちゃんができた事かその体でバイクに乗って来たのを思っての事かわからない。何れにしても嘘の話だから俺は気にしていない。  俺は久月悠馬のTZR250SPRを借り峠に向かった。
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