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なっ……! 消えた、だと……?
馬鹿な……、確かに数秒前までは、この手の中にあったというのに。
それが一瞬のうちに消え去った。
もちろん目を離してなどはいない。
俺は確かに、この目で見たんだ。
色も形も失って、あれが消えていく様を。
念のため辺りを手で探ってみるも、何の手がかりも残ってはいなかった。
残された俺に出来るのは、いつもの事だと深く考えずに行動した自分の愚かさを、だだ嘆くことだけだった。
「ねえねえ、この動画見た? すごく可愛かったんだけど」
「ん? ああ、結構前にテレビで見たかも、『アライグマに綿あめを渡したら』ってやつでしょ?」
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