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朝に吐いた息は白く、冬に溶けていく。しもやけの公園でブランコに座り、冷たいお尻。となりに座る君に声をかけようかとも思ったが、無粋に感じ言葉を止めた朝。
君はブランコをこぐ。その様はまるで18歳、もうすぐ受験を控える大人のすることとも思えず面白くなる。高校の制服の僕と君は、ブランコに座る。
「今日はさぼっちゃおうよ、学校」
君はそう口にし、僕は駄目だよとくぎを刺す。
「堅物だなぁ」
君はスカートを翻し、ひたすらにブランコをこぐが、新聞配達のお兄さんが変な目でこちらを見ながら去っていったのを横目に捕らえ、恥ずかしくなってやめた。
そんな冬の朝に。煙草を吸えない年齢の僕は、代わりに冬独特の白い息を吐く。
そんな朝。
「行かなきゃいいのに、東京なんて」
君はそう言った。
「通いたい学校があるんだ、東京に」
「ふーん」
どこか不服そうに君はそう言う。
そんな冬の朝。もうすぐ高校生も終わる。そんな朝。
君は不服そうに再びブランコをこぎ始めた。吐く息白く、僕は進むべき時間に泣きそうになった。そんな吐く息白い、透き通った冬の朝。
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