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お昼休み、いつもの地下のコンビニおにぎりを食べていると、スマホがふんわり光り、メッセージが入ったことを通知した。
佑斗からのメッセージだ。
無事、退院できたんだ。
ほっとした。
本当は付き添いたかったけど。
仕事が忙しくて休めないのは、半分は本当で、半分は、嘘。
何だか、会うのが、怖いだけだ。
健斗に私の事を託されたから、好きになってくれたのではないか?
佑斗には、私ではない他にもっと相応しい女性がいるのではないか?
佑斗がマリッジリングを預かっていたことが、その私の考えを裏付けた。
はぁ、と溜息をつく。
私は、おにぎりを食べずに、スマホを見つめた。
「遥?大丈夫?」
斜め前の自分のデスクにいたはずの美寿々が、隣から私を見ていた。
「えっ?
やだ、いつの間に、隣に来てたの?」
「えっ、ずいぶん前からいたけど。」
そう言って、美寿々は立ち上がって、
「体調が悪い訳じゃないみたいね。」
「あっ、うん、ごめん。心配させた?」
「まあね。
怪我した人と順調かなって思っていたから。
どうしたのかなって、ちょっと心配かな?」
「・・・ごめん。」
「やだあ、謝らないでよ、お互い様ってことよ。
でも、相手がいての悩みなら、一人でいくら考えても、答え出ないんじゃないかな?」
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