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遥、俺も、あいしてる。
そう言って抱き寄せたかったけど、点滴の管やら、そもそも、麻酔の所為か、傷による発熱のためか、身体が自分でないように動かせない。
話せるは話せるが、生きているということと、遥の気持ちを告げられたことに、嬉しいとか、照れ臭いとか、今まで持ったことのない感情が混ぜ合わさって、ようやく出た言葉は、
「遥、俺、やばい。」
だった。
ーーーーーー
あの情けない一言の後、俺は、また眠ってしまったらしい。
目を覚ましたとき、遥はいなくなっていて、看護師が様子を見にきていた。
「奥さんは、先程、入院に必要な物を買うからと、お父さんと一緒に出ましたよ。
昼過ぎ、また来るって言っていたかな。」
ダメだ。
看護師が、遥のことを「奥さん」と呼ぶから、情けないけど、顔が熱い。
熱、また、上がったと思う。
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