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「ふーん。なんか、いろんなこと、すっ飛ばしている感じだけど、お前はお前のやり方で、自分の気持ちに従って行けば、いいと思う。」
と、大して驚きもせず、岡島さんは、さらに話を続ける。
「俺の場合は、うちの奥さんには悪いけど、俺に何かあった時、真っ先に連絡がいく立場にいて欲しいと、思った。
それは、彼女にしたら残酷なことかと思うけど。まあ、俺の我が儘だけど。」
岡島さんらしい。
まっ、上手くいかなかったら、奢ってやるよ、とまで言ってきた。
いつからだろう。
この感情に名前を付けるようになったのは。
幼馴染とか、
義姉だとか。
その場にふさわしい名前を付けて、自分自身が自分の気持ちに気づかないように。
でも、もう、無理だ。
この名前を付けない感情を、遥に差し出したい。
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