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プロローグ
昼間の月は、雲に紛れて、下界の私たちは、気づかない。
だけど、西の空見上げたら、顔をあげたら、気づけたの。
決して、雲と紛れない輪郭を持つ白い月に。
私は、気づかなかった。いえ、気づかないようにしていたのかもしれない。
私は、あなたが好きになっていた。
ふっと、顔を上げたら、あなたがいた。
私の中にいるあの人のことも一緒に抱きしめてくれた。
だから、もう、気づかないことにはできない。
私は、あなたと生きていきたい。
これからも、一緒にいたい。
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