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次の日から、僕たちの勉強会は熱のこもったものとなった。
「僕は文学部を目指すよ」
僕は武田くんに宣言した。武田くんはニヤリと笑った。
子供の頃から読書が好きな、完全なるインドア人間だった。根は明るくないし、運動はからっきしダメ。逆に言えば、僕には読書しかなかった。
そんな読書は僕に様々なものを与えてくれた。時には失望から救い、逆境を跳ね返す力をくれた。
昨日、武田くんの話を聞いて、自分なりに考えた。読む側の人間であり続けるのも別に悪いことじゃない。でもチャンスがあるなら、作る側に立ってみても良いんじゃないかって。
武田くんは仏教学部、僕は文学部を目指すことになった。
明確な目標が決まると、俄然力が出るのはなぜだろう?僕たちは互いに得意分野を教え合い、参考書を交換して勉強した。時には一緒に図書館へ出向くようになった。
一緒に頑張ってくれる友がいるというのは、本当にありがたい。
ところで、もう友達って呼んでもいいよね?
武田弦。僕はこの人を尊敬する。この人のエネルギー、情熱、信念。全てが僕にはないもののように見える。
いつかこの人に追いついて、20を過ぎたら一緒に乾杯なんてできるといいな。
そんな妄想を膨らませながら、今日も僕は武田くんの隣で、問題集に取り掛かる。
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