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1 人間てのはね、図星刺されたら一番怒るんだよ。 そーゆー生き物なの、分かる? 君が俺に言った言葉を…たまに… 夢に見る。 毎日 毎日同じだ。 仕事で疲れた身体。 ラッシュを過ぎた間引きされた電車の座席。 向かいの窓に映る曇った見覚えのある冴えない顔。 同じ事を繰り返して、何年も何年もただ過ぎて行く。 大きな部活の鞄を下げた高校生や、手を繋ぐ幸せ一杯の大学生カップル。 遠い昔、自分も高校生で、そして、大学生だった頃を懐かしんで目を細める。 変化は怖い 不変も怖い 我儘な自分にうんざりしながら、顔を上げたら そこに君が  立っていた。 「あぁ〜…ハハ!やっぱり!やぁ〜まだっ!」 毎日 それは毎日 同じだった…はずなのにっっ!!
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