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20 「入れよ」 ぶっきらぼうに扉を開かれ、俺は玄関の中に通された。 後ろで鍵がかかる音がする。 何気に振り向くと、仁坂がまたキスをしてきた。 「んんぅ〜っ!…ップハ!おまえなぁっ!」 「ノコノコ家まで着いてきて、何ビックリしてんだよ」 ニヤリと笑う仁坂に、俺はやっと嵌められた事に気付いた。 「抱かれに来たんだろ?俺をずーっと待ってたらしいしな。期待に応えないと悪いだろ」 「ちっちがっ」 仁坂は軽々と俺を抱き上げた。 「あっぶない!おろせっ!」 バンと開かれた扉の向こう側は寝室だった。 俺は思わず息を飲む。 「急に静かになってどうした?」 ゆっくり腕から下され、フローリングに爪先が触れ立ち上がる。 「シーツが……黒だから」 「ん?あぁ…だから?」 仁坂はどうやら覚えてないらしい。 初めて仁坂にエッチな事をされたあの日、彼の部屋のシーツは黒で…自分が吐き出した白濁がソレを汚したのは、今でも忘れられない記憶。 ボンヤリしていると、その黒いシーツのベッドに押し倒された。 「仁坂っ」 仁坂を見上げると、琥珀色の目と甘い囁きで俺の耳に唇を当てながら囁いた。 「いいだろ?」 いいだろ?だとっ!! こんなイケメンにそんなこと言われて、ダメって言う奴いるのかよ!…って何流されてんだっ! 「ぃ…良いわけ…ない」 「山田、嘘つきだなぁ…こんなガチガチにして」 フワッと股間をスラックスの上から撫でられ、身体が弾かれたように跳ねた。 「ぁっ…」 「…いぃ反応…」 「はっ…なしてっ…」 「覚えてるよ」 「えっ?」 「おまえに初めて触った日…シーツは黒だった」 仁坂の言葉に、バクバクと心臓が走り出す。 優しく語る仁坂の言葉に、動揺?いや違う、トキメキ?を感じてしまったんだ。忘れたフリ、したくせに…ほんっとドS!狡い男なんだ!コイツはっ!!
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