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   男の人が苦手な私も、佐々のそばでだけは自然体で振る舞えた。隣に並んだり、偶然軽く手が触れることがあっても、佐々だけは怖くなかった。  佐々は大丈夫……。佐々だけが、特別。  そう感じた気持ちは、私の中でいつしか恋心に変わっていった。  だから、中学を卒業して、佐々と同じ高校に進学することが決まったときは嬉しかった。  子どもの頃の恐怖体験も、そこから生まれたトラウマも、佐々と巡り合うための運命だったのかもしれない。そんなふうにさえ思った。  いつか、頑張って佐々に告白したい――。  そう思っていた矢先だった。 『藤野、聞いて。俺、出会っちゃったかもしれない。運命に……!』  きらきらと眼を輝かせた佐々が、私に最悪な報告をしてきたのは……。
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