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 また、やってしまった……。  翔琉くんへの罪悪感と申し訳なさを誤魔化すため、私は彼の柔らかな髪をゆっくりと撫でた。  私に触れられた翔琉くんは、とても嬉しそうに口角を引き上げていて。その表情を見ると、やっぱり心苦しくなる。  ごめんね……。  私が心の中でそんなふうに思っていることは、誰も知らない。特に、奈帆は。  だから、 「朝香と翔琉って、ほんと仲良いよね」  奈帆はいつも、呑気に笑ってそんなことを言ってくる。 「うらやましーだろ」  奈帆の言葉に機嫌を良くした翔琉くんは、あらためて私の肩に腕を回すと、横からぎゅーっと抱きしめてきた。  今度は、大丈夫。ちゃんと、翔琉くんに触れられるかもしれないっていう心づもりができていたから。  だけどそれでも、翔琉くんの腕の中で私の呼吸は数秒止まってしまった。  それに佐々の前だから、どんな反応をするのが正解かわからなくて困る。  一方の佐々のほうは「はい、はい。うらやましー」って、笑って翔琉くんの言葉を流す。もちろん、私のことなんてろくに見ていない。
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