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瑛士とのことがあった翌日。何事もなく仕事を終え、また何事もなく帰宅できた。ほっと安心して悠斗さんに連絡を入れる。
『椿さん、無事帰られましたか?』
「はい。無事に帰りつきました」
『よかったです。ご無事かどうか気が気じゃありませんでしたので、ようやく安心して残りの仕事ができます』
「すみません。お忙しいのに気にかけていただいて」
『当然です。椿さんは僕の大切なパートナーなのですから』
この人はまたすぐこういうことを平然と言う……!
ハイスペックイケメンの破壊力がすごいこととか、まるでわかっていない。きっと本人は無自覚なんだわ。
「お仕事頑張ってくださいね」
『はい。元気百倍でがんばります!』
悠斗さんの元気な声に癒された。私もこの日は早々にお風呂に入って早めの就寝にした。
そして翌日も何事もなく仕事を終え、また何事もなく帰宅できた。花小町の売り上げの方が心配になるほど、私自身になにもなかった。帰宅後悠斗さんにすぐ連絡を入れた。
『椿さん、無事でしたか』
「はい! おかげさまで無事です。ご心配いただきありがとうございます」
『よかった』
彼の声にドキリとさせられた。甘く優しい声に思わずきゅんとしてしまう。
『お時間大丈夫なら、少し話せますか?』
「はい。私は大丈夫ですが、悠斗さんは大丈夫ですか?」
『ええ。もう仕事は終わらせてありますから。椿さんのことを聞かせてください。今日のお仕事はどうでしたか?」
なんだか本物の恋人同士のようなやりとりに思えた。私の様子を聞いてくれるなんて。
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