【第4話 - 執着者】

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 瑛士とのことがあった翌日。何事もなく仕事を終え、また何事もなく帰宅できた。ほっと安心して悠斗さんに連絡を入れる。 『椿さん、無事帰られましたか?』 「はい。無事に帰りつきました」 『よかったです。ご無事かどうか気が気じゃありませんでしたので、ようやく安心して残りの仕事ができます』 「すみません。お忙しいのに気にかけていただいて」 『当然です。椿さんは僕の大切なパートナーなのですから』  この人はまたすぐこういうことを平然と言う……!  ハイスペックイケメンの破壊力がすごいこととか、まるでわかっていない。きっと本人は無自覚なんだわ。 「お仕事頑張ってくださいね」 『はい。元気百倍でがんばります!』  悠斗さんの元気な声に癒された。私もこの日は早々にお風呂に入って早めの就寝にした。  そして翌日も何事もなく仕事を終え、また何事もなく帰宅できた。花小町の売り上げの方が心配になるほど、私自身になにもなかった。帰宅後悠斗さんにすぐ連絡を入れた。 『椿さん、無事でしたか』 「はい! おかげさまで無事です。ご心配いただきありがとうございます」 『よかった』  彼の声にドキリとさせられた。甘く優しい声に思わずきゅんとしてしまう。 『お時間大丈夫なら、少し話せますか?』 「はい。私は大丈夫ですが、悠斗さんは大丈夫ですか?」 『ええ。もう仕事は終わらせてありますから。椿さんのことを聞かせてください。今日のお仕事はどうでしたか?」  なんだか本物の恋人同士のようなやりとりに思えた。私の様子を聞いてくれるなんて。
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