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トコダトコさん ⑥比喩表現1
トコダトコさんDM対談、今回はその10回目『比喩表現』についてです。
🎸「比喩表現という点で言うと、私は雪乃かぜさんが時折使われる比喩がとても好みです」
🛶「例えば?」
🎸「シャラリと響くツリーチャイムはまるで深い海の底まで降り注ぐ星屑」だとか、「優しい風で奏でられる風鈴のような声」だとか、切り取るとちょっと恥ずかしさも覚えてしまうような比喩が、物語の大場面にあると「ほわっ」とした雰囲気で広がりますし、翻って「ぐつぐつ煮える鍋のようにはらわたが煮えくりかえる」のような比喩はシンプルに地の文に地味に挿してあったりして、お話を締めているように感じます」
🛶「比喩って難しいんですよ。難しい言葉を使うと例えにならないし、簡単な言葉だとチープになりやすい。誰でも知っている言葉で手垢がついていない表現は難しいですね」
🎸「雪乃さん自身はそれほど比喩を多用されるタイプでは無いのだと思いますが、恐らく意識的に場面場面で用いているのだと思います。比較的王道の例えはひっかかりなく物語への自然な没入感を得られるので、その効果を考えて使われている気がします」
🛶「比喩ばかりだと読みにくいですからね。『ここぞ』という場面でドカン! と持ってくるのがおしゃれなんでしょうね」
🎸「長くなるので、他はお名前を出していくと、秋月一成さん。もう比喩が美しいです。比較的作品の中で比喩表現は多い方なんじゃないかと思います。
蜜原みな子さん。少し奇抜でセンスの良い比喩を使われます。作風にすごく合っていて、惹き込まれます」
🛶「秋月さんの作品には地頭のよさと粋さがありますよね。あれば真似できません」
🎸「それからNEURALOVERLAPさん。発想と世界観の書き手さんで、比喩表現はあまり使われませんが、たまに出てくる比喩表現が実に「はっ」とさせられます。そこに集中してなくても刺さる表現を使われるので、一気読み中でも一瞬読みが止まるようなエモい比喩を使われます」
🛶「NEURALOVERLAPさんで『これ』というのはありますか?」
🎸「待ってましたw NEURALOVERLAPさんの比喩表現で一番好きなフレーズがあります。いつか真似したろうかと思ってるようなw 「パントマイムに興じるピエロの形をした雲が、夕空に楽しげに浮かんでいた。」
これ、もう凄い好きw 「エスタブリッシュワールド」という小説のラストもラストのセリフで使われた「比喩表現」です。本編の最後にコレ出てくるんですよw「ピエロ型の雲!なんやねん!」ってw めちゃめちゃエモいですね!好きだなあw」
🛶「普通は絶対に出てこない表現ですよね」
🎸「私のレビューも凄い力が入った作品なんですよね。是非また読んでみてくださいっw めっちゃお洒落なんですよw NEURALさん作品の中でも特に後半は珍しく濃ゆい描写も見られる作品なのですw」
🛶「おお、あの作品でしたか! 後で読み直してみます」
🎸「ちなみに、私自身が比喩を多く使うタイプなので、そこには注目して読んでしまう癖がありますw」
次回、比喩表現と描写について!
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