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トコダトコさん ⑥比喩表現と描写
大好評のコダトコさんDM対談、今回はその10回目『比喩表現と描写』です。
🛶「砂たこさんは、私が星の灯台守という作品で佳作を頂いた執筆応援キャンペーン『独り』で、大賞をとられたんですよ。んで、そのときに「どれ、大賞作をついでに読んでみるか」と開いてみて、愕然としたと(笑 あまりの実力差に呆然となりました。何? プロが書いてる? いやいや、素人の筆じゃないだろう! と。構成といい、描写といい、完全無欠の作品でした。私はあれでエブリスタに居着くことにしたんです。『ここなら凄い人がいる』と。ちなみに作品名は『宙の夢』です」
🎸「うんうん。砂たこさんの描き方はちょっとレベチかもしんないですね。どうしても素人作家さんがプロ作家さんと比べて少し「足りない」と思う事は、やはり「描写の少なさ」だと思ってます。私が短編読みであるからってのもありますが、長編なら事象の連続筆記でも誤魔化せるかもしれませんが、短編だと確実に描写パートが無いと映えないと私は思っていて。砂たこさんの作品を読んで、描写パートの挿し方が絶妙だなってゆう印象が強いんですよね。
「宙の夢」、あとで読むに入れてきました。今度読んでみよっかな」
🛶「話を戻しますが、比喩って本当にワードセンスと引き出し、それらの繋がりを自在に持っていないと出て来ないんですよね。誰も知らない言葉をもって来ても響かないし、手垢のついた表現でもだめですし。こういうのは訓練がいるんでしょうね。そして、使いどころの見極めが。NEURALOVERLAPさんの『ピエロの形をした雲が』を最後の最後に持ってくるとか凄いセンスですよね」
🎸「その点、青のキカさんあたりは砂たこさんレベルだなって思います。プロに近いかなって印象です。夏木蒼さんもかなー。正直、(前述御三名は別ですが)高いレベルの方(の中に)は、逆にその描写が固過ぎて面白味が薄く感じることもあります。加減も重要なんでしょうね」
🛶「その辺りはトコさんとの年齢差もあるかもですね。それとアマチュア作家さんはどうしても『何が起きたのか』という事象を優先する傾向があるんですよね。でも読み手が咀嚼するのは情報ではなく感情ですから。特に短編はその割合が高いかもです」
🎸「ですね。ほんとそう思います。たまに堪えられないくらいに展開だけある作品とか出会いますが、心の中で「描けや!」って思いますww」
🛶「あーありますね。ひたすら『だった』が続くタイプ。あれは確かに『いつになったら本編が始まるんだろう』と感じることがありますね」
🎸「逆に描写が少なくても振り切って世界観や発想を主軸に空想世界とヒューマニズムで展開させて描いてる典型がNEURALOVERLAPさんだと思います。やるならあそこまで突き抜けないと面白くないんでしょうねきっと。すごい毎回勉強になります。それでいて「バシっ!」と効く比喩表現とか使ってくるから好きが抜けない作品を作れるんでしょうね。同じタイプは、東 里胡さんやななせハチミツさんかなー」
🛶「別に悪口ではないですがレベルの高い人の方々の一部にはレベルの高い表現が出来すぎて、時として世界観と言動がマッチしない場合があるような気もします。現代の若者には現代の若者らしい思考回路やワードがあると思いますし。でも難しいワードてんこ盛りしてドヤりたいのも分かるんですけどね😅」
🎸「めっちゃわかる!!!w」
🛶「その点、杜乃うなさんは若さが上手いんですよ。実際に若いという武器もあると思いますが。それとか、ゆるさないさんの『愛情、情熱、添え物の園へ』では、途中にまったく比喩表現が入らないんですが、ラストに「パセリに小さな花が咲く」ときて、そうきたかぁ!と思わせるんですよ。簡単なワードなのに、想い切り突き刺さる。使い方の妙はありますね」
🎸「うわー、そういうのめっちゃいいわ。ゆるさないさんのそういう描き方は反則級にズルいw うなさんリアルも若いんですね?w まあそうなんでしょうけどもw 新しい描写も古い筆圧も良いところはあるんでしょうが、何となく作者の「ドヤ!」感が見えてしまうと一気に冷める気がしますw その点、たとえばはやくもよいちさんや夜空の散歩者さん、仁科佐和子さんあたりはうまーく両端に立つような瞬間があったりして、シリアスもコメディも描けて描き方もレベル高いなって見てました」
🛶「夜空さんや仁科さんのそういう「なりきり」は凄いですよね。うなさんは小さなお子様がいらっしゃるらしいので、そのくらいのお歳でしょうね。描写にドヤ感、分かります。書き手としてはそういうのをやりたいんですが、それが透けてしまうと台無しですからね」
次回、『これまでの教訓を踏まえて』。トコダトコ編 第一部区切りです。
※2024年2月20日17時20分
一部において言葉足らずがあり、()にて文言を追加しました。あしからずご了承ください。
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