トコダトコさん第二部 閑話休題 「See You 」③

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トコダトコさん第二部 閑話休題 「See You 」③

※前回の続きを全開で参りたいと思います。 もうね、ここから先は変な注釈とかつけず、そのものを紹介したいと思います。 ここまで愛して頂いけたことが、とても幸せでなりません。 🎸 また、同じシーンで「自分が役に立っているか」そんな認知を相手に求めるだけ、というただの問い掛けで主人公のほのかなる恋心を感じさせる描写は、もう参ったw 可愛いかよw でもどこか実る可能性の低い想いの発芽のような、そんな淡さは主人公のイメージにドンピシャの行動描写だったと思います。 🎸 そして5ページ目。まあ6ページに至るまでなのですが、これはもう凄いです。 描かない「美」描き切らない「美」とでも言いましょうか。 BL初挑戦に対する最初の心配はなんだったのかとw もうね、正直エ ロ いですw でも、描写が生々しかったとかではないんですよね。描いていない部分を想像させられ、読者がそして私が「掻き立てられた」妄想がエ ロ いのですw いやあ、これは困ったw 🎸 全てを晒す導入は、rainのバックグラウンドに由来する告白。続いて遂に迎えた場面は、rainが旧約聖書にある神話的な言葉で主人公の内面を指す。理解し動揺する主人公に、受け入れる意思を示す言葉もまた、ひと言だけで……。 んー。良き。用いた要素の一つひとつが良い意味の「マイノリティ」で、だからこそ知らない美に脳が魅せられ惹かれていきました。 🎸 BL作品なので、ソドミー表現、描写はどうするかと思っていましたが、就労と時間の概念で描ききり、それがまたエモさを感じ。 読者の妄想掻き立てる時間経過の使い方。ズルいw 🎸 そして、一番語りたい「結末」についてです。 では、終盤と結末について解剖していきたいと思います。 想いが結実した決定的な生々しい場面は描かず、事後、それも翌朝の自宅での目覚めから始まります。至極事務的なのに決定的な宣告は、主人公を動揺させました。 絶対的、逆らうことの出来ない宿命。主人公にあるそんな重りや枷の類いに、彼は従うしかありません。 そして、後任者が「女性」だという事で理解する経緯。 ……もう切な過ぎますね。 綻びの無い想い人を綻ばせたのは自分で、けして綻ばせてはいけなかったシステムがこの家庭そしてお屋敷にあった事に気付いてしまった主人公。彼の落胆を想う読者は、きっとこの時点で感情移入のままにrainの事を想ったと事でしょう。主人公が部屋で吐いた二つの独り言に胸を締め付けられました。 🎸 この場面、再び登場するのは「庭師」でした。 物語の本筋には絡まないと思っていた登場人物でしたが、結末に向かう重要なファクターとなっていました。 長くこの屋敷に勤め、rainと大きく距離を取った場所で監視していた人物。しかしながら、この家庭に忠義を尽くし仕事を全うした訳です。rainをどんな感情で見ていたのか、或いは視ていたのか。慮るのは、彼も主人公と同じくここに雇われた人間である、という事実でしょうか。 主人公は、彼を差し「御庭番」と揶揄して呟きました。これが全てを表していますね。所謂「隠密」を意味する訳ですが、彼の人間性や背景を想像させるには充分過ぎます。なんてお洒落な解明かと。震えました。 短編は登場人物を2~3人くらいにするのが適している訳ですが、本作ではメインの二人に追従するこのサブキャラに「人生」を感じさせた場面でもありました。 🎸 いよいよ結末の最終ページ。 このページで残っていた伏線が回収されていきますが、その全てが愛おしい。 コンテストのテーマを主体に逆算した創作なら、きっと「雨」をどう降らせるかから考えていったと推測する訳ですが…… ・降って欲しくない、という願い ・その理由、体質の必然性 ・rainの合理性のある生き方と、恋心に気付いてからの非合理性の表現 ・マイノリティ故、二人の環境故の必然的な別れ ・抗うことの出来ない運命と、絶対的な最後 敢えて大オチには触れませんが、最終ページの特に後半は感情移入して入り込むとかなりヤバいです。茫漠としたところで迷うような絶望を感じますが、手を伸ばせば届くわけです。切ないよ…… 1ページ目から描かれていた数々の事柄、英語を使う理由、rainの名前、日頃の挨拶と、全てが最後の行に凝縮されている事にも、最早悔しさしか感じないのです。 静かでほのかなメリーバッドエンド。主人公達の絶対的な最後に触れ、私は少しの呆然の後に二周目を読んでいたわけですw 残したレビューで、私は「マイノリティな運命を描く正解は、現代ならこの物語だ」と書きました。続けて「ソドムの罪は、清廉な想いの側から描くべきだ」とも。 🎸 BL作品への偏見は、残念ながら多くあります。でもそれは、性愛の部分的なところで深く理解しようとしない早計が原因と思います。ソドミー全てに物語があるとは思っていませんが、こういった文学作品において本質を捉えず読まないのは非常にもったいないです。こんな「想いの美しさ」を敢えて「描かない余白」で力強く「読ませる」この短編、本当に名作でした。 すみません。力一杯語りましたが、正直語り足りませんw 個人的に、この作品については作者の誰かさんとファンの方と語る場を作って欲しいですねw 長々失礼しましたー!w ご清聴ありがとございますっ 🛳……もうね、感激で泣けてきちゃって何も言えなかったです。😭😭😭
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