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トコダトコさん第二部 書き手・トコダトコ②
🚢「ワークショップで、特に印象に残った部分はありますか? 皆さんの勉強になると思うので」
※🚢の絵文字が一定しないのは入力するハードが一定しないという環境依存の問題なので、ご勘弁くださいませ
🎸「はい。もうワークショップの全部が為になったのですが、特に印象に残ったのが「発想のタネ」を生み出す力を養うワークをした事です」
🚢「発想のタネ!」
🎸「よく「創作にはインプットが大事」と言われる訳ですが、この情報過多の飽和世界で万人がインプットはある程度出来ていて、それを組み合わせ編み込み発想として生み出す「アウトプット」が難しいから、なかなか書けない人が多いのではないか、と」
🚢「例えば、ゆるさないさんとかはそういうのが凄いんですよ。『着目するの、そこ?!』みたいなところに目を持ってくる、アウトプットにしてくる。けどそれはゆるさないさんにしかできない技で、汎用性はないですからね」
🎸「書き手には、妄コン等テーマと時間が定められている創作をしなければならない場面も多く、その日はスピード感を持った発想のタネを生み出す為の実践的なワークをやったんですが、これがなかなか面白かったので、今日はその内の一つをご紹介したいと思います」
🚢「是非」
※ここからは分かりやすくするため、行間が空けてあります。
🎸「まず、紙とペンを用意します。
そこに、ある単語(名詞)を一つ書きます(以降「単語A」)。
そうしたら、この単語Aに対する「形容詞」または「形容動詞」を5つ自由に考えて書き出します。
実際にその時のワークで私が書き出した例をあげると、
単語Aは「夢」でした。
それに対して書き出したものは、
淡い夢
そこはかとない夢
醒めない夢
あたたかい夢
ゆるい夢
次に、同様に単語Bを書き、それに対しても「形容詞」または「形容動詞」を5つ書き出します。
単語B「ロボット」
こわれやすいロボット
大きいロボット
新しいロボット
見たこともないロボット
冷たいロボット
こうして挙げた「単語A」「単語B」に対する5つずつの書き出しを、入れ替えて「形容された文節」を作ってみます。
私のでいうと、例は
見たこともない夢
醒めないロボット
こわれやすい夢
そこはかとないロボット
……凄くないですか?w
こんな簡単な作業で、聞いたこともないような「気になる言葉」がたくさん生まれました。そしてこれがエモかったりする。もし小説なら、めっちゃ気になりますよね!?w
「見たこともない夢」……物凄い奇想天外な夢をみる人なの!? それか、生まれてこのかた睡眠で夢を見ない病気!?
とか
「醒めないロボット」……作ったはいいが動き出さないロボット。教授を諦めてるけれど、助手の主人公はロボットの目覚めを願って……
みたいな。
もう「そこはかとないロボット」なんて、もう訳が分かりませんw
逆に読みたくなりますw
どうですかね? 面白いですよねw
所謂、意図的に偶然性のある言葉を作ってるんですよね、これって。
物語って当然、普遍的で当たり前の日常を延々と描く事はなくって、こういった偶然性のある事柄がきっかけに展開したりします。耳馴染みない言葉はそういった発想のフックになって、主人公が躓いたり前に進んだりするテーマやきっかけになる訳です」
🚢「うーむ、どうしても同じパターンで話を作ってしまうという悩みを抱える書き手さんは多いと思うのですが、そこからの脱却を図るひとつの手段として「心を遊ばせてみる」という手法はかなり有効だと思います」
🎸「この「発想のタネ」を作る訓練が、この簡単なワークだったって事ですね。こういったワークをいくつか実践したワークショップだったのですが、その全てが面白い時間でした。やばーいめちゃめちゃ面白いですw」
次回、作家・トコダトコ氏初の本格小説「イジンサン、アルデンテ」創作秘話についてです。是非お楽しみに。
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