トコダトコさん第二部 深く想う

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トコダトコさん第二部 深く想う

🚢「本日のお題に入る前に、昨日は『2月30日』準大賞おめでとうございます!」 🎸「ほんとにマジもんで予想の外側だった。。。嬉しい。ありがとございます!」 🚢「綿密な計算と豊かな表現力を見事に証明してみせたといえましょう。自分のことなんかどうでもいいほど嬉しかったです。さて、本題に戻りましょう。境遇の体感の3つ目ですね。」 🎸「(理由の)三つ目としては、自分の出自ですね。 色んなところで言ってて親も隠してないので訊かれたらいつも言ってるんですが、私は両親が大好きですが父母とは血が繋がっておらず、それに関しては何も引け目とかは感じてませんが、何も知らない実の両親の事を全く考えないって事はなく。 何となく自分がマイノリティなカテゴリーで生かされてる思いが、人間の深部を探るような創作に繋がっているのかなあ、と思いました」 🛳「トコさんの出自に関して、私は今回初めて知ったのでびっくりですが、そのことが『人間の深部を探るような創作』に繋がるという理屈は分かる気がします」 🛳「さっきの話、濱口屋さんワークショップで仮に『無関係な何かを引っ付ける』自体は誰でもできたとして、作家・トコダトコの凄みは「その先」にあると思うんですよ」 🛳「ワークショップででた一見して意味を成さないワードを『イジンサンアルデンテ』へと、つなげていく力。普通の人間はここからあの物語ができるというぶっ飛んだ発想にならないと思うんです。浅っさい、取ってつけたような物語になるか、もしくはそのルートは諦めるか」 🛳「そのバックグラウンドが、恐らくはアスリートとしての闇の部分を垣間見たり、出自について深く考察する部分があったりするからなのかなぁと。そうでなければとても高校生に描ける世界観ではないと思います」 🎸「うまく言えないんですが、ワークで出来上がった「発想のタネ」がほんとにたまたま優秀だったのかなと思いますが、もし私の作家性と技術的な知識の両面で解剖するなら、半分は潜さんの仰る通りかと思います」 🛳「そこが独特の作家性なんでしょうね」 🎸「作家性のお話で言うと、私は『人間を描く』タイプの書き手だと思います」 🛳「大抵の書き手は私のように『ストーリーから入る』か、すいかさんみたいに『キャラから入る』の二派に分けられるといいますが、その全てが当てはまる訳では無いと、最近知りました。NEUTRALさんみたいに『世界観の構築から入る』という特異な例もありますし。トコさんの場合は『人の内面を描く』ことから入るんでしょうね」 🎸「人間の(きわ)を極限的に描く世界観とするなら、私が人の陰湿な部分に触れてきた事や自分の出自の事は、今生きていく分には困ったり悩んだりはしていないものの、人の心の深淵にある部分を知れたきっかけになっているとは思います」 🛳「ここまで解読して、やっと理解できる部分ですね」 🎸「もう半分、技術的な知識の面でいうと、所謂「キャラ立ち」です。私の描く小説の登場人物って、普通の人って一人もいないんです」 🛳「いやー、確かにそれは。イジンサンアルデンテのイジンサンや母親も大概ですけど、プレゼントタイムの主人公もかなりアレですし、水泡にキスの主人公も相当ですからね。一見して普通に見えるキャラも、その内面がぶっ飛んでますし」 🎸「特技だったり趣味だったり性格だったり。職業や身体的特徴で凸らせる事もあります。これは意識的にやっていることで、どんなモブキャラでも必ず一つ持たせているんです」 🛳「モブって本当に隠れますけど、モブにはモブの人生があるわけですしね」 🎸「イジンサン、アルデンテ」でも四人の登場人物に意識的なキャラ立ちをさせていて、それも上手くハマったのかなと思いますね。派手なアクションやファンタジックな世界は描けませんが、人の際を描く世界観はこうして作れる様になったのかな、と思いました」 🛳「めちゃくちゃ際を攻めていると思いますけどねw」
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