8.ドーバ市 ~ リリー村 まで

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8.ドーバ市 ~ リリー村 まで

閲覧ありがとうございます。 こちらは過去作【星屑のメロウ】の改正版です。 過去作をベースに新たに書き直したモノなので、 過去作とは設定や展開が異なります。 また、過去作は小説に限りなく近く書き上げていますが、 改正版のこちらは『脚本』の状態です。 重大なネタバレを含みます。 予告なく書き換える可能性があります。 よろしくお願いします。 翌日。 マリー「さて、ドーバ市に行くわよ!」 ドーバ市へ。 マリー「うわあ、賑わってるけど、     なんかヤバそうな感じ・・・」 ミュコ「・・・うー」 ノウ「ミュコ、嫌なら僕とステファンと    三人で外で待っててもいいんだよ」 ミュコ「ううん。みんな、いくんでしょ?     あたしもいきたい・・・」 ステファン「無理しちゃ駄目だよ。       つらくなったらいつでも言うんだよ」 ノウ「・・・さて、君達、    間抜け面を晒してるとスリに遭うよ。    ゴロツキに喧嘩を売られるかもしれないし、    気を引き締めてね」 サララ「アタノールのお店はどこかしら・・・」 ミハエル「店がかわってなけりゃ、奥の方だ」 マリー「よーし、行きましょう!」 ドーバ市では通常戦闘として敵が襲ってくる。 一番奥の店に行く。 マリー「す、すいませーん」 狐のようにニッコリと笑った、 艶やかな女が出てきた。 ???「ンフ、騒がしいと思ったら、     ミーちゃんではないデスか!」 ミハエル「おう。久しぶりだな、美鈴」 美鈴「彼女君は元気ィ?」 ミハエル「おう。外で待たせてある。      美鈴、アタノールを譲ってくれ」 美鈴「うーん、どうしよっかな。    メーちゃん、今、    困ってることないしィ・・・。    ミホ石で出来たギルドの紋章かァ。    お嬢ちゃん達、ホラン山以外の    山は登ったこと、ある?」 マリー「はい。トウヤ山、〇〇〇山、     あと、竜の背骨に」 美鈴「山登り、好き?」 マリー「・・・いいえ」 美鈴「水の〇〇〇山、風のトウヤ山、    土のホラン山、残るは火、だねェ」 マリー「火の国の竜の背骨を入れないなら、     そう、なりますね・・・。」 美鈴「じゃあ、火の国の〇〇〇山の    最奥にある『不死鳥石』を    採ってきてくだサーイ!    素手で触ると火傷しますヨ。    手袋とお鍋をあげますから、    入れられるだけ入れてきてくだサイ」 手袋と鍋を入手。というか押し付けられる。 美鈴「頑張ってね!    為せば成るさ!    バイバーイ!」 追い出されるような形で店を出る。 スコルピオ「スノウマン、       交渉はうまくいったのか?」 ミハエル「〇〇〇山で不死鳥石を      採ってこいってよ」 スコルピオ「面倒くせえ。暑いのも嫌いなのに、       なんで俺がこいつらのお遣いに       付き合わなくちゃなんねえんだ」 マリー「あたしだって行きたくないわよ!     あの美鈴って女の人、     なんでこんな意地悪をするのかしら!」 スコルピオ「あの女は性根が腐ってんだよ。       ったく、さっさと行くぞ。       ここに長井したくねえからな」 マリー「そうね、行きましょ」 ドーバ市を出て土の国から火の国へ。 〇〇〇山へ向かう。 最奥部でイベント。 マリー「・・・戦いは避けて通れない感じ?」 サララ「かかってきなさい!」 フェニックスと戦闘。 戦闘勝利後、イベント。 ミハエル「三人共、こっちにこい。      これが不死鳥石だ」 三人娘『はい!』 マリー「あちち!」 イリス「大丈夫?」 サララ「気を付けてね」 不死鳥石を入手。ドーバ市に戻る。 マリー「美鈴さん、不死鳥石を採ってきました!」 美鈴「お疲れサマー。この石で芋を焼くと    ンマイのよねえ。肉を焼けば    ローストビーフ、魚を焼けばタタキ。    加工すれば錬金炉になるしィ!」 マリー「えっ? もしかして、     アタノールの材料を     あたし達に集めに行かせたの?」 美鈴「そういうことだネ。ミーちゃん達の    錬金炉はもう作ってあるから、    すぐにお渡しできるヨ。安心してネ!」 マリー「えっ。じゃあ、なんでわざわざ     〇〇〇山を登らせたのよ?」 美鈴「面白いからに決まってるじゃーん?    これで四大陸の山は全部登ったんでしょ?    いよっ、登山家っ!」 マリー「むむむむむ・・・!」 美鈴「そう怒んないでヨ。    ミーちゃん達が持ってきた不死鳥石が、    次に錬金炉を欲する者の手に渡るって    仕組みサ。ほら、大事に使ってネ」 錬金炉、アタノールを入手。 美鈴「じゃ、閉店ガラガラ。    良い旅になりますようにィ」 店を追い出される。 スコルピオ「スノウマン、どうだ?」 ミハエル「おう。手に入れたぜ」 スノウマン「・・・仕方ねえ。ジャギー」 ジャギー「はい、どうぞ」 『鍛冶の基礎』『武器防具について』 『装飾品について』の三冊を入手。 ジャギー「私が長年使っているメモ帳です。      字が汚いのはお許しを。学がないのでね」 イリス「わっ! ありがとうございます!     マリー、サララ、     私が一番最初に読んでもいいよね?」 マリー「いいわよ!」 サララ「勿論よ」 スコルピオ「これも貸してやる」 『調薬の基礎、応用』を入手。 イリス「ありがとうございます!     あれ、『著・ミハエル』?」 スコルピオ「いいか、貸してやるだけだ。       汚したりしたら       わかってるだろうな?」 イリス「は、はい!」 ミハエル「シルバーのところに戻って報告するか?」 スコルピオ「そうしよう」 グルメパレスに戻る。 シルバー「おかえり。首尾は?」 スコルピオ「上々だ。暫くはここを拠点にする」 シルバー「ついに塔へ、か。頑張れよ」 ついに塔へ挑戦。下へ行こうとすると ノウが『上に行くんじゃなかったっけ?』と嫌味を言う。 20階、40階、60階、80階、100階にボスが。 滅茶滅茶強いので注意。一度戦って勝利すると、 塔を入り直しても復活せず、次のボスへ挑戦できる。 100階のボスを倒して階段を登る。 マリー「わ、わ、わ、雲の、上・・・?」 ノウ「あはっ。ここは『天界』だよ」 マリー「や、やったあ!     あたし達、やったのよ!」 イリス「凄い! 凄いよ!」 サララ「塔を登り切ったんだわ! 私達が!」 ミュコ「ここ、くものうえなの?」 ステファン「ミュコ、落ちたら大変だから       僕と手を繋いで。絶対に離さないでね」 ミュコ「はーい!     ミミンちゃんもおててつなごう!」 ミミン「ミュー!」 パトリシア「こんなところに居たら、わたくし、       成仏しちゃわないかしら・・・?」 ノウ「ははは! 面白いこと言う幽霊だね。    さて。どうなることやら・・・」 お紺「凄いところまで    来ちまったねえ」 ジン「人生、なにがあるかわからないな」 ペトロフ「ここが、神々の住む、天界・・・」 ミハエルを含む不死者達は黙ってなにやら考えている。 一行の元に、一人の男がやってくる。 ???「ようこそ、招かれざる客よ。     神ならざる者達よ」 マリー「貴方は?」 天の管理者「現在、塔を管理している者です。       まさか、塔を登りきる者が居るとは」 マリー「あの、あたし達、     お願いがあってここに来たんです」 天の管理者「ハルマゲドンの阻止ですね?」 マリー「へ? なんで知ってるんですか?」 天の管理者「貴方達に説明しなくては       いけないことがあります。       まず、上に登る塔は       我ら神のものです。       神ならざる者を招くための       ものではありません。       貴方達は、門番を殺して       領地に侵入した『ならず者』です」 イリス「歓迎されていないことはわかりました」 天の管理者「はい。ハルマゲドンに関する       決定権を持つ神、『神王』に       貴方達が会うことはできません」 マリー「そんな・・・」 天の管理者「・・・ですが」 サララ「ですが?」 天の管理者「貴方達を歓迎する神も居ます。       『ステラ様』にお会いください。       最南端にある神殿へ行くのです。       では、私は失礼します」 天の管理者が去っていく。 サララ「・・・立ち話するべきじゃないわね。     取り敢えず、ステラ様に会いに行きましょう」 最南端のステラの神殿へ。 神殿の奥、美少年という言葉を体現したような 背の小さな男が座っていた。 ステラ「ようこそ。     クソ面倒な厄介者共。     僕がステラだ」 マリー「いきなり口が悪いわね・・・」 ステラ「はははっ。軽い冗談だよ。     僕は君達を歓迎する。     さて、君達はハルマゲドンを     阻止したいんだね?     ああ、理由は言わなくていいよ。     面倒なやりとりは省きたいんだ」 マリー「は、はい・・・」 ステラ「はあ・・・。残念なお知らせだ。     君達が塔を登って天界まで来たせいで、     五百年先と言われていたハルマゲドンが、     今、始まろうとしているよ」 マリー「なっ!? どうしてですか!?」 ステラ「は? 今、理由を説明したじゃないか。     君達が塔を登って天界まで来たからだよ」 マリー「えっ、ええっ・・・??」 ステラ「塔は一つの『目盛り』なんだよ。     天族や冥族は、信仰や畏怖といった     感情によって繁栄、或いは衰退する。     神秘性を暴くことは滅亡に繋がるんだ。     塔を登って、或いは降りて、     天界か冥界に辿り着くということは、     四種族が進化したということ。     わかるかい? 四種族が     天族や冥族を滅亡させるほど     進化した、一つの目盛りなんだよ。     ハルマゲドンが起きるかどうかは、     今後の君達の行動次第だけど・・・。     『ハルマゲドンの阻止』だなんて、     天族と冥族の行動に口を出すんだからね」 ペトロフ「そんな・・・。      阻止する術はないのですか?」 ステラ「黙って聞きなよ」 ペトロフ「す、すみません」 ステラ「ハルマゲドンの決定権を持つ、     『神王』と『シュタインベルト家』。     この二つを潰せば時間は稼げるよ。     根本的に解決するのなら、     『グノーシス』を潰すしかないがね」 ペトロフ「『グノーシス』・・・?」 ステラ「知識の集合体、だね。     自他共に認める『知識の神』の     僕からすれば目障りな存在だ。     ま、『時間稼ぎ』のあとに話すよ。     『君一人』では不安だな。     もう一人、君と同じ血を持つ者が居る。     彼に、いや、彼女に協力を仰ぐといい。     火の国の〇〇〇〇砂漠を抜けて、     〇〇〇村へ行け。     僕からの紹介だと言えばわかるはずさ」 イリス「ステラ様、何故私達に     協力してくれるのですか?」 ステラ「全ては時間稼ぎのあとに、ね」 イリス「・・・わかりました」 天界を出て、火の国へ。 〇〇〇〇砂漠を抜けて、〇〇〇村へ。 180cm程の背丈をしたエビが、二足歩行していた。 エビ?「エビ?」 一匹、いや一人がスターダスト一行に近付いてくる。 エビ?「エビ・・・?」 マリー「え、えっと、エビ!」 エビ?「エビ・・!」 マリー「うん。エビ!」 エビ?「エ、エ、エ、エビーッ!!」 エビ(?)は嬉しそうにくるくる回った。 マリー「〇〇〇村に生息する『エビ族』だね。     それ以外の情報は一切無い     謎の種族だけど・・・。     敵対的ではなさそうだね」 エビの群れの奥から、和服を着た、 濃い緑の髪をした男が現れる。 お紺「あれっ? あんた、    もしかして『はるあき』ちゃんかい?」 春秋「お久しぶりです、お紺さん」 お紺「あらららら! 大きくなったね!    あたし達、ステラって人から    ここに来るように言われたんだ」 春秋「おや、そうですか。    では皆さん、こちらへどうぞ」 スターダスト一行は春秋の案内で 〇〇村の奥にある家に案内された。 中に入ると、黒く長く美しい髪を床に滑らせた女と、 鴉の面を被った、黒い羽根の生えた男が居た。 お紺「『あやめ』ちゃんじゃないかい!    『カラス』さんも! 久しぶり!」 菖蒲「おう、久しぶりだな。    鴉、次の任務にあたれ」 鴉「わかった」 鴉が外に出ていく。 お紺「ステラって人、いや神様から    ここに来るように言われたんだ」 菖蒲「ん、鴉から聞いたよ」 お紺「相変わらず恋人らしくない    やりとりしてるねえ」 菖蒲「まあ上司と部下でもあるからな。    私の貴重な情報源でもある。    さて、ギルド『スターダスト』と    不死者同盟の三人だな。    ステラとどういう話をしたのかは    鴉から聞いている。私の名は菖蒲。    こっちは息子の春秋だ」 春秋「よろしくお願いします」 菖蒲「お前達の自己紹介は結構だ。    さて、結論から言おう。    ステラが言った『もう一人』、    『同じ血を持つ者』。    それは春秋のことだ。    春秋は天族と冥族の間にできた子供。    それも最も位の高いとされる、    神と魔王の間にできた子供だ。    神を殺す力も、    魔王を殺す力も持っている。    そこのペトロフよりも純粋な、    そして凶悪なディミディウムだよ」 ペトロフ「ディミディウム・・・」 菖蒲「胸糞の悪い話を聞かせてやろう。    春秋は『お遊び』で作られた子供だ。    母親である神、父親である魔王。    春秋は両親の愛を欲して、    二人に言われるがまま、四種族、    そして天族と冥族を殺していた。    春秋の両親はそうやって    私腹を肥やしていたんだ。    それだけじゃない。    春明を偽物の愛情に依存させて、    虐待して憂さを晴らしていた。    その行いが、春明が五歳の時に、    神王とステラ、そして冥族側の    権力者に知られることになってな。    両親は極刑に処され、    歪んだ愛に飢えた    狂暴な春秋だけが残った。    私は春秋を更生させることを約束し、    春秋を引き取り、育てた。その際に    天族側にも冥族側にも色々と    有利な取り決めをしてな。    ・・・で、その結果が『コレ』だ」 春秋「はーい。『コレ』でーす」 マリー「『コレ』扱いされて、     幸せそうなんですけど・・・」 菖蒲「見ての通りだ。ちょっと間が抜けてるし    世間知らずだが、腑抜けてはいない。    さて、神王を敵に回すのも面倒だし、    ステラにいくつか借りがあるとはいえ、    ヤツの頼みを断れないわけでもない。    私はハルマゲドンなんて    どうでもいいが、唯一無二の    親友のお紺の頼みというのなら、    春秋を旅に同行させてもいいぞ」 お紺「お願いするよ、菖蒲ちゃん。    ハルマゲドンなんて、戦争なんて、    なぁんにもいいことないからね」 菖蒲「よし。では先に    シュタインベルト家を叩け。    私はアレに少々、    個人的な恨みがあるのでな」 お紺「塔を降れってこと?」 菖蒲「そうだ。案ずる必要はない。    鴉の情報では神王は病に伏せている。    すぐには動けまい。    誰が一服盛ったのは知らんがね」 お紺「怖い人だねえ。    あ、神様なんだっけか」 菖蒲「吉報を待つぞ」 お紺「おうよ!     煎餅でも齧って待ってな!」 塔を降り、冥界へ。 女が一人、近付いてくる。 冥界の管理者「ようこそ、招かれざる客よ。        魔王ならざる者達よ」 サララ「シュタインベルト家はどこ?」 冥界の管理者「ギルド『スターダスト』ですか?」 マリー「そうです」 冥界の管理者「シュタインベルト家から伝言です。        『無益な殺生は互いに避けるべきだ。         話し合いで解決したい』と。        一つ忠告を。天界が法の世界なら、        冥界は弱肉強食の無法の世界です。        くれぐれも、オヤツになりませんよう」 マリー「ヒィ・・・」 〇〇の方角へ。大きな屋敷が立っていた。 門番の男と、紫色のメイド服を着た 可愛らしい少女が出迎える。 少女は口を黒い革のマスクで覆っていた、 マリー「貴方は・・・?」 少女は怯えた瞳で見つめてくるだけで、 何も喋らない。 イリス「喋れないのかな・・・」 少女が何度も振り返りながら、歩き始める。 サララ「『着いて来い』ってことね。     行きましょう」 大広間に案内される。一番奥に長髪の男、 次にウェーブのかかった髪を綺麗に結い上げた女、 左目に眼帯を付けた女、 ウェーブのかかったショートヘアの可愛らしい少年。 計四人が座っていた。 ???「エルザ、案内ご苦労。下がっていいよ」 エルザと呼ばれたメイドはビクビク震えながら、 そっと去っていった。 ローズ「ようこそ、私の名はローズ。     君達は疑うということを     知らないのかね?     敵の本拠地にのこのこと、     間抜けな暗殺者も居たものだ」 マリー「ちょっと! 貴方達が     『話し合いで解決しよう』って     言ったんじゃないの!」 ローズ「そうだったかね? 記憶にないな。     さて、『多勢に無勢』か、     『量より質』か。試してみるかい?」 ???「下らない」 眼帯の女が言う。 ローズ「アリス、なにが下らないんだ」 アリス「弱い者虐めだ。私は失礼する」 眼帯の女、アリスが去っていった。 ローズ「・・・仕方がない。     話し合いをしよう」 ???「あら? ローズさん、     この場で殺さないのですか?」 ローズ「マリア、黙りなさい」 髪を結わえた女、マリアがくすくす笑う。 ローズ「ハルマゲドンを止めたくば     マダム・スカルウムを連れてこい」 マリー「誰それ?」 ローズ「間抜けに加えて無知か。     冥界三大勢力の一つだよ。     冥界の創始者、ヨモツ。     我がシュタインベルト家。     そして、一匹狼の     マダム・スカルウム。     彼女の所在地はこの館から〇〇。     リリー村を統治している。     手荒な真似をしても構わない。     さあ、早く行きたまえ」 ???「待ちなさい」 突然、くすんだオレンジ色の ドレスを着た女が現れた。 マリア「マダム・スカルウム!     一体いつからそこに!」 スカルウム「初めから、ですわ。       侵入者に気付かないなんて、       呑気な家主ですこと」 マリア「出ていきなさい!     マダム・スカルウム!     貴方は招いていないわ!」 スカルウム「煩い蠅ね。       下顎を外してやろうかしら」 マリア「やれるものならやってごらんなさい!」 ローズ「やめろ、マリア。     ・・・で、なんの用かな。     マダム・スカルウム」 スカルウム「率直に申し上げます。       ギルド『スターダスト』と       不死者同盟よ。       わたくしと協力関係を結びなさい」 マリー「ど、どういうこと??」 スカルウム「ローズさんはね、ハルマゲドンを       始めたくても始められないのよ」 マリー「えっ・・・」 スカルウム「シュタインベルト家は長子継承。       年齢で考えるなら、ローズさんに       なにかあった場合、当主になるのは       マリアさんです。しかし・・・。       マリアさんとその弟、ダンデさんは       先代の当主が妾に産ませた子供」 マリア「なっ、ど、どこでそれを・・・!」 スカルウム「頭でっかちのマリアさん。       戦闘力では貴方が一番なんですってね。       けれど、継承権は       アリスさんが有している。       弱肉強食の冥界で気取るから、       お家騒動などという       下らない騒ぎに繋がるのです。       しかしアリスさんは、       自分を取り巻く煩わしい環境に       嫌気が差して旅に出ている。       ローズさんには味方が居ない状態。       アリスさんはハルマゲドンに乗じて       ローズさんを亡き者にしたあと、       当主の座を奪おうと考えている。       そして、己の出生を知る者を       消すために、ハルマゲドンを       起こしたい・・・。       悩ましい関係ですわね」 マリア「こっ、このっ・・・!」 ローズ「もういい!! 充分だ!!     私は少々、貴方を侮っていたようだ。     マダム・スカルウム。     我がシュタインベルト家の恥部、     よぉくご存じのようだ。     スターダストと不死者同盟よ、     先程の失礼を詫びよう。すまなかった」 マリー「騙したり喧嘩売ったり謝ったり、     忙しい人ね、貴方・・・」 スカルウム「フフ、心配無用ですよ、皆さん。       こんな男でも人望はありますから、       アリスさんも下手には動けないのです。       さあ、わたくしと外に出ましょう」 マリー「は、はあ・・・」 マダム・スカルウムと館の外に出ると、 アリスとエルザ、不気味な男が待っていた。 スカルウム「アリスさん、ありがとうございます。       貴方が手引きしてくれたおかげで、       円滑に進みましたわ」 アリス「そりゃいい。一番いいのは     あんたが大暴れして     皆殺しになる展開だったんだがね」 マリー「お、おっかないわね・・・」 マリーが顔を顰めると、 不気味な男がニタリと笑った。 ???「ヒヒヒ・・・。アリスお嬢様、     マダム・スカルウムと手を組むだけでなく、     こんな小娘共を信用するんですかい?」 アリス「黙れモルグ。死肉でも食ってろ。     お前はもう下がれ」 モルグ「失礼しました・・・」 不気味な男、モルグが館の中に帰っていく。 アリス「馬鹿な兄上。まんまと騙されたな。     紹介が遅れた。私はアリス。     ツレとスカルウムのところに     厄介になってる。よろしくな」 三人娘『よろしくお願いします』 スカルウム「ここから〇〇にわたくしの村があります。       皆さん、そこで詳しく話しましょう。       わたくしは少し用がありますから、       先に向かってください。アリスさんも」 アリス「おう。エルザ、貴方も下がりなさい。     ポルティエもありがとうね」 門番ポルティエ「いえいえ、アリスお嬢様の         お願いでしたら、またいつでも」 門番、ポルティエがニコリと笑った。 シュタインベルト家から○○、 スカルウムが統治するリリー村へ。 マリー「ここが、三大勢力の一つ、     マダム・スカルウムが     治める村なの・・・?」 イリス「四大陸にあるような田舎町だね」 サララ「長閑って言葉がぴったりね・・・」 村人の一人が気付き、近寄ってくる。 村人「ようこそ、リリー村へ。    君達、冥族じゃないみたいだけど、    まさか塔を降ってきたの?」 マリー「はい。そうです」 村人「わーっ! そりゃ凄い!」 マリー「エヘ、ありがとうございます。     あの、あたし達、     マダム・スカルウムと約束をして、     リリー村まで来るように言われました」 村人「村長の家は一番奥の、大きな家だよ。    一応言っておくけど、冥族は余所者が    嫌いだから、他の場所でこの村と    同じ振る舞いをしてはいけないよ」 マリー「わかりました。ありがとうございます」 村人「では、良い一日を。さようなら!」 三人娘『さようならー!』 マダム・スカルウムの家へ。 スカルウム「あら? 遅かったですね」 マリー「ええっ、スカルウムさん     が早いのでは・・・」 スカルウム「奥へどうぞ。お茶を淹れますわ」 イリス「いえいえ、お構いなく」 スカルウム「フフ、そう言わずに。       お客様をもてなすのが       わたくしの趣味ですから」 サララ「では、お言葉に甘えます」 お茶が配膳される。 スカルウム「風の国から仕入れた茶葉です。       あまり品質の良いものでは       ありませんが、わたくしの       お気に入りなのです」 マリー「とってもいい匂いです!     ありがとうございます!」 スカルウム「フフ、ありがとう」 マリー「あのう。大きなおうちなのに、     使用人とか使い魔は居ないんですか?」 スカルウム「ええ。わたくしは独り暮らしです。       とはいっても『マダム』と       呼ばれるくらいですから、       昔は夫が居たんですけれどね」 マリー「あ・・・。ごめんなさい。     不躾な質問をしてしまいました」 スカルウム「フフ、悪いと思うのなら、       惚気話を聞いてください」 マリー「は、はい」 スカルウム「わたくしの夫は、天族なのです」 三人娘『えっ!?』 スカルウム「奔放な彼は、冥界しか知らなかった       わたくしに、色んなことを教えてくれた。       このお茶もそう。彼のお気に入りなの。       彼は天族といっても、下っ端の天族でした。       偶然わたくしと出会って、逢瀬を・・・。       それが天族側に知られてしまいましてね。       天族と冥族が干渉するのはご法度ですから、       彼は神王によって滅せられてしまいました。       わたくしはなんとしてでも、       神王を殺したいのです・・・」 イリス「だから、ハルマゲドンの阻止に、     協力してくださると・・・?」 スカルウム「そう。でも、神王を殺しても、       『アレ』が存在する限り、       ハルマゲドンという概念は       なくならないでしょう・・・」 サララ「『アレ』って、なんのことですか?」 スカルウム「『グノーシス』です。ここからは、       とてもとても長い話になります。       『準備』を済ませたら、       わたくしに話しかけてください」 マリー「あっ・・・。お、おトイレ借ります!」 スカルウム「奥にありますわ。       慌てず、ゆっくりね」 イベントが一時終了。 長話の前にセーブやトイレ休憩がオススメ。 Q.文章を中途半端に区切ってるのはなんなの? A.ゲームのメッセージウィンドウに   収まるように区切っています。 まだ登場しませんが 和風と中華風をごったまぜにした 小さな島国も登場します。 そこのルーツを持つ者は名前や装いといった 文化が和風・中華風になるわけです。 仲間のお紺がそんな感じですね。 シナリオを書き終わったら、 キャラがどうできたかについても書きたい。 モデルの有無や名前の由来、とかとか。
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