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不幸ヤンキー、”狼”が現れる。《前編》
腹を痛がる哉太を連れて保健室へとやってきた幸ではあるが…立て札に”外出中”と書かれているプレートが掛けられていた。
「あれ…、センセー居ないのか?」
「い…たたた…、痛いよ~」
だが先生は居なくとも哉太があまりにも痛がるので幸は心配になってガラリと引き戸を開けた。やはりだが先生は居ないし、哉太を抱えながら中に入るのだが…どこのベットがあるカーテンは閉まっていない。
―つまり哉太と幸だけなのだ。
「センセーもやっぱり居ないな~。…じゃあ俺、呼んでくる―」
―――カチャリ…。
しかし、痛がっていたはずの哉太はゆっくりと引き戸を閉め鍵を掛けたかと思えば…ニヤリとほくそ笑んだのである。
「…ラッキー」
「えっ?」
するとなんということか。突然哉太に抱き締められたかと思えば、ベットへと投げ込められてしまったのだ。突如とした行動に驚く幸に哉太は周囲のカーテンを閉ざしてにっこりと笑っている。そして唖然とする幸に近づいては自身の願望を語るのだ。
「俺さ~夢だったんだよね~。…漫画みたいに保健室で犯すっていうシチュエーション」
「…オカス?」
戸惑いと共に卑猥な意味を分かっていない幸。そんな彼に哉太はサングラスを外してからまっすぐに見つめた。
…哉太さんの赤くて綺麗な瞳に吸い込まれそう…だな。
幸は哉太が嫌っているその真紅の瞳に堕ちそうになってしまう。しかしその思考が現実に引き戻されるほどの言葉を…哉太は発したのだ。
「オカスっていうのは~…幸とえっちぃことするって意味、だよ」
「……はっ?」
幸の脳内が羞恥で思考停止になってしまうのにも関わらず、そう言って哉太は幸のYシャツのボタンを手早く外していき色黒の肌を露わにさせた。そして呆然とする幸のピンク色の乳首を大きな舌で舐め上げたのだ。
―――ジュプゥ…。ジュプゥ…。
「うぁっ…、やぁ…。か…なたさん……」
「なぁに、幸?」
舐め上げるたびに幸は甘い吐息を漏らしてしまうが、ここは学校だ。しかも哉太はお腹が痛いと訴えていたではないか。だから幸は平気で嘘を吐いて、平気で淫らな行為を行っている変態狼へ抗議を示す。
「か…なた…さん、ここ…学校…だ…からぁ…あと、腹、平気なのかよ…って、うぁっ!???」
今度はもう片方の乳首を指で弾いては円を描くように強弱をつけて触れていく。だから幸の可愛らしい声は止まらない。
「やぁ…あぁぅ…うそ…吐いたの?」
「え~、そんなことよりさ~、学校だから…何?」
―――ピンッ!
「がっ…こうは…そういう場所じゃ…なぃって、あぅぅっ!!!」
哉太が乳首を摘まん離せば幸の甲高い声が聞こえた。その可愛らしい声に哉太はうっとりとしてしまうものの幸のことも考えて配慮をする。
そう。舌は両方ともご奉仕をしつつも、空いた手でズボン越しだが幸自身に触れたのだ。
―やはりそうだ。幸自身が硬くなっていた。普段は天邪鬼ではあるがエッチなことに関しては素直で正直な幸に哉太は嬉しそうに耳元で囁くのだ。
そう…幸の弱点である耳に。
「幸の勃ってるよ?」
「んなこと…ない…、ンぁっ…!」
―――ベロ。チュッ。
わざとリップ音を立てて耳元を刺激すれば幸は快楽に溺れて顔を歪ませては涙を零しそうになる。そんな純粋な青少年に変態狼…哉太は攻め立てて興奮するのだ。
「…学校はそんな場所じゃないんでしょ。…なんで勃起しちゃうの?」
「ち…ちがう。そんな…んぅ…じゃなぃ…」
「否定しちゃダメでしょ~? こんなに硬くなってんのに~」
哉太が右手で幸自身をやんわりと触れては強く扱うと…。
「ふぅっんん…、んんぅ…。はぅ…はぁ……」
そのたびに幸は必死に呼吸をして、背中を仰け反らせて…まるで快楽から逃げようとする。快楽という名の羞恥を耐えようとするのだが、無垢な彼には刺激が強いらしい。
―その行為がまるで哉太を煽らせてしまうほどだ。だから哉太も吐露してしまう。
「…まっ。俺もだけど」
「……へぁ?」
健気で淡泊な幸が疑問を浮かべれば、哉太は幸の手を取ってズボン越しに自身を触れさせたのだ。
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