32人が本棚に入れています
本棚に追加
【閑話休題】不幸ヤンキー、”狼”と戯れる。《前編》
…まずい。この状況は前にもあった感覚だ。…途中から全然記憶が残ってない!??
「…なんで俺、イヌ耳付けていたんだっけ?」
幸が鏡越しで見るのは自分がイヌ耳を付けている姿。その姿を哉太は笑いながら写真を撮っていた。
―しかしなぜ自分が全裸かつイヌ耳を付けていて、しかも写真を撮っている哉太にもイヌ耳を付けているという状況にわけが分からないでいるのだ。そんな幸に哉太は写真を撮り終えてから幸に言葉を掛けるのだ。
「花ちゃん全然覚えてないんだ~。…じゃあムマさちは本当に花ちゃんとは別人格なんだね~」
ムマさちという単語に幸は目を丸くしてから今度は鋭くさせて問い詰めるのだ。
「ムマさち…?」
「そう。ムマサチ」
「だからなんだよ、ムマさちって奴は!!! 誰だそいつは!??」
すると哉太は口元に弧を描いて言い放つのだ。
「誰って…知りたい?」
妙に知っているような素振りを見せる哉太に幸が頷けば、哉太は思い出したように回想を話し始める。
―それは昨晩のこと。
『マンネリ防止の為にさ~、なんかイヌ耳とか付けてエッチしよ~よ!!!』
『なんだよいきなり…。こっちは疲れてんのに…』
ホテルの一室にて行われた仮装パーティにて、哉太は様々な品を出しながら述べていく。そんな彼に幸は眠さと闘いながら返事をしたその時、哉太が大人のおもちゃを手に取ったのが始まりであった。
『これとか見てよ~! アナルビーズとかこの尻尾の先に付いててめっちゃエロい―』
―――パタン。ドサッ…。
音につられて見てみれば、突然幸がベットへと寝転んでしまったのだ。先に寝転ぶとは良い度胸だと哉太がおもちゃを広げて幸に襲撃をしようとすれば…彼はむくりと起き上がった。
『あぁ…ごめんね。ちょっと気を失っただけだから…許して?』
いつもの幸とは違い少し目元が優しげであった。だから哉太が疑問を抱けば幸はにっこり笑ってから彼に近寄りキスをしたのである。
―――チュッ…。
突然のことに驚く哉太に幸は唇を離して上目遣いをしたのだ。
『俺の為に用意してくれたんでしょ。…おにいさん?』
おにいさん呼びに哉太は気が付いたのだ。もしかして…。
『…ムマちゃん?』
哉太の言葉に目の前に居る幸…いや、ムマは微笑んでからイヌ耳のカチューシャを付けて言い放つ。
『これで遊ぼうとしたんでしょ?』
『まぁそうだね。うん』
『…幸じゃなくて俺と遊ばない?』
そして魅了させるような微笑みに哉太は彼が、ムマが何者であるかを確かめたい。だから尋ねるのだ。
『それは嬉しいけどさ…君は一体何者?』
哉太の言葉にムマは耳を傾けてはいるものの、目の前には大人のおもちゃの数々があった。
するとムマはとあるおもちゃを1つ手に取っていやらしく舐め上げてから問い掛ける。
『それよりもこれなぁに? …おにいさんのことだからエッチなことに使うんでしょ? 』
幸ではあるがどこか幸とは違い妖艶なムマの存在に哉太は興奮を覚えながら説明をする。
『それはね…アナルビーズって言って、おしりに使うの。もちろんローションをお尻に垂らしてから挿れて解してね…ムマちゃんのきつ~い穴にねじ込んでさ…』
『あは。えっちぃね~』
『ムマちゃんには出来るかな~って』
『……俺なら出来るよ』
するとムマは言われた通りに自身の後孔にローションを注ぎ込み卑猥な図体をしている無機質なおもちゃを挿入したり出したりを繰り返す。
―しかし初めててあるからかぎこちない様子でよがるムマの様子に哉太は堪らない。
―――ヌチュゥ…ヌチュゥ…ヌチュゥ…。
『んっ…やぁっ……へんなぁっ…感じ…だね…?』
体育座りのような態勢で大股を開きおもちゃで遊んではよがる姿に哉太は手を出してしまいたくなった。
『へんな感じするよね。…俺も手伝ってあげよっか?』
こちらもイヌ耳を付けて、さらに準備万端な哉太にムマは涙目になりながらも誘惑する。
『手伝ってぇ…、俺、おにいさんの奴じゃないと…イキたくない』
その言葉に変態狼は素直に受け止めた。しかと受け止めたのである。
『…じゃあお言葉に甘えて!』
哉太はムマの後孔で遊ばせているおもちゃをずるりと引き抜く。
―――ズチュㇼィ…。
『ひぃあっ…!』
ムマの愛らしい声を聞いたのち自身を充てがってから悶絶する彼に問い掛けるのだ。
『俺を誘うのは良いけどさ…?』
―君は一体何者なの?
『幸なの?』
するとムマは答えにくそうな表情を示した。
最初のコメントを投稿しよう!