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【閑話休題】不幸ヤンキー、”狼”と戯れる。《後編》
『…言わなきゃ、ダメ?』
『うん。…言わないと俺もムマちゃんもイケないよ?』
意地悪に言い放つものの自分も身が持たないのは事実。だが性行為に至っても百戦錬磨の彼だ。このぐらいで達してしまうほど早漏では無い。
―しかし、幸は…ムマサチは違う。
『…おにいさんだけずる…い。俺、身が持たないよ?』
『俺も身が持たないのなら…教えて?』
耳元で囁いて見せれば観念したようにムマはある言葉を紡いだのだ。それは不思議で不可解な言葉。
『…俺は彼岸花を司る魂だから』
…彼岸花を司る魂?
『でもこれ以上は言えない。言いたくない』
『なんでこれ以上は言えないの?』
疑問を示す哉太に今度はムマが彼を押し倒すようになり、自身に哉太のブツを挿入させて上下に腰を振るのだ。
―――ズチュッ…ズチュッ…ズチュッ!
―――パンッパンッパンッ!
『はぁっぅ…キモチイイ…よ…』
積極的なムマの様子に哉太は驚きつつもムマの腰は止まらない。
『はぁっう…だめぇっ!! もう…イクっぅ!!』
されるがままの哉太にスイッチが入った。
『ムマちゃんだけずるい。俺にもさせてよ!!』
『あはっ、シよ? エッチなことシよ?』
『もう…!』
そして2人は一緒になって性行為をしたのだ。哉太の腰裁きも相まってムマが先に達し、哉太も後を追えばムマは息を切らせてにっこりと儚く笑った。
『また会おうね。、おにいさん。…じゃあね?』
するとムマは眠るように気絶をしたのであった。
哉太の回想に幸は顔を真っ赤にしながらも、彼が言っていた自身の中に眠る”ムマ”の存在が気がかりであった。
「ムマってなんだ。というか彼岸花の魂…って、じいさんのことかな?」
「なんでそこでおじいさんの話になんのよ。どういうこと?」
イヌ耳を付けながら話す幸は頭を捻るようにして思い出す。
「いや…昔、じいさんが『彼岸花の魂は特別で…』みたいなことを言っててさ。その家系で俺の代まで彼岸花って名前があるらしくて…」
「ほうほう」
そして哉太は幸に少し近付いた。幸のイヌ耳が可愛らしいからか?
「そんで…って、どこ触ってんだあんたは!?」
尻を撫でられて怒る幸に哉太はにっこりと笑みを見せてから彼に言うのだ。
「まあそんなことはさておき~。幸の可愛い姿をこの目で収めたいからさ」
「…収めたいから?」
すると哉太抱き着いて耳元で囁いた。
「またエッチしよ。…さっきのはノーかんで」
抱き着いてからキスをする哉太に幸は溜息を吐いてから軽いキスを送るのであった。
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