【閑話休題】不幸ヤンキー、”狼”に任せる。

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【閑話休題】不幸ヤンキー、”狼”に任せる。

 気が付けばそこはいつも使っているホテル…のような場所に居た。  ―だが自分は裸でありベッドにいる。そして足元には…瓜二つの双子のような存在、赤い髪を2つに縛っている幸ともう1人の短髪の幸…ムマが自分を押し倒していた。そんな状況に哉太はふと悟った。 『あぁ…。これって夢か…。花ちゃんが俺を押し倒すことなんて滅多にないし、それにムマちゃんも居るし?』 『そうだよ? …これは夢。目覚めたら覚えてないほどの…儚い夢』  ムマが哉太にキスをしようとする。だが彼は戸惑いを見せる幸にキスをした。疑問を浮かべるムマではあるが哉太は笑って言うのだ。 『俺は今は花ちゃんの…幸の恋人だからキスをするのは幸にしかしない。俺、ムマちゃんは幸とは違うと思っているから』  終始無言の幸ではあるが哉太の言葉を聞いてどこか嬉しそうに感じられる。そんな幸を見て哉太は微笑みがムマは意地悪な顔をして幸に抱き着きキスをしたのだ。  ―――プチュゥ…。クチュゥ…。 『…ふぅん。ふぅ…んぅっ!』  幸に深い口づけをするムマが視線を哉太に向けて試すような顔をする。そんな彼に哉太は溜息を吐いてから幸とムマを引き剥がし…今度はムマに軽いキスを送る。  ―――チュッ。 『…お兄さんずるいよ。…俺にはしないって言ってたのに?』  すると哉太は悪戯に笑った。そして言い放つ。 『ムマちゃんがあまりにもして欲しそうに感じたから、つい…ね?』  そんな哉太にムマはこのような言葉を紡ぐのだ。 『幸を任せられるか心配だな~』 『…どういう意味?』  謎の言葉を告げるムマに哉太が首を傾げれば、1人後ろを解して待ち構えている幸に哉太は唾を飲む。なぜか言葉を一言も発さない幸に疑問を感じるが、そんな中でムマは呪文のような言葉を発した。 『…我はの魂である。我は彼…哉太もとい幸に献身の意義を持って…ここを立ち去る』  謎の言葉を吐くムマに哉太は戸惑いを見せた。一体どういう意味なのか? 見当がつかない。  『ムマちゃん、どういう意味なの?』  すると彼は…ムマは儚げに微笑んだ。 『…って意味だよ。もう幸は、幸は1人じゃないから。…おにいさんが居てくれてるから。大丈夫だと信じてるから』  ムマの身体が透き通っていき後ろを解している幸に憑依するかのように溶け出して中へと入る。すると幸は動きを止めて動かなくなってしまった。心配をする哉太は駆け寄ると、幸は哉太を押し倒し解れている自身の後孔を撫でながら初めて言葉を発する。 『哉太…さん。俺とエッチするの…嫌?』  後ろを解してから哉太の局部を触りうっとりとした表情を見せる幸。そんな彼に哉太は興奮を覚える。すると夢の中の幸が言ったのだ。 『俺ね、哉太さんとの…赤ちゃん欲しぃの』 『…っえ?』  頭がフリーズをする哉太に夢の中の幸は恥ずかしそうな顔をして誘うのだ。 『だから…一緒に…俺と…エッチして?』  キスを強請(ねだ)る幸に哉太が応えてキスをすれば…哉太は目を覚ました。 「あれ…なんかすごい、よく分からないような変な夢を…」  起き上がりトイレにでも行こうとすれば自身が大きくなっていることに驚く。朝勃ちなんて久しぶりであった。 「まじか~…まぁ一発抜いて…」 「哉太さん~。メシできたから早く起きて―」  休日であり哉太宅にて勉強を教えてもらっていた幸が朝食が出来たことを哉太に伝えようとドアを開ければ…下着越しでも分かるほど勃起している哉太が居た。その姿に幸は顔を赤らめてからゆっくりと閉めて言い放つ。 「…なんか悪かった。朝食、ゆっくりでいいから。そんなに急がなくていいから」 「えっ、ちょっと待って!?」 「よく知らないけどごめん」 「これは…その―」  静かに閉められたドアに哉太と幸は互いになんという言葉を掛ければ良かったのかを分からずにいるのであったとさ。
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