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ユリネ(2)
ユリネは家についた。今回は短編を読んでみようと思った。部屋に入り荷物を置く。そして本を手に取りページをめくる。内容は一匹の恐竜の人生を書いたドキュメンタリーだった。
「面白いな」
部屋で笑っていると母が入ってきたのである。
「ユリネ…。あなた学校に行ってないんだって?先生から聞いたわよ。明日は必ず学校に行くこと!分かった?」
「…」
「分かった」
「うん」
ユリネはは絶対いかないと決めた。そして本を手に取り読んだ
次の日あのビルに向かった。
「ねぇユリエル、もしかしてユリエルも辛いときは本に癒やされた事ってあるの?」
「ええ、もちろん私も辛いときは本の名言に助けられたりしましたよ。"絡まる糸のようになる私をあなたはほどいてくれる"とか私にとっての本があなたにとっての歌だと思っ手いましたよ」
「そうなんだ。そんなによく歌を聞いていなかったな」
「前にもいい歌を聞かせてくれたではありませんか。人生待っていても始まらない、誰もいなくても走っていけという歌です」
「ああそれね。気に入ってくれていたんだ」
「ええ」
「ありがとうユリエル」
「いえ、とんでもない」
ユリエルと話していると心が落ち着く。ユリエルの青色の瞳が光る。
「私は教団に誘いませんよ」
「そうなの」
「私自身が"天使"をやめたがっていますから。それにわたくしって喋るのもばからしい」
「そうだったの」
「これは内緒です」
「うん」
秘密を打ち明けたユリエルにユリネは親近感を抱いた。ユリネは学校に行けない理由を話してしまおうかと思った。ユリエルならわかってくれると思ったのだ。
「ユリエルあのね」
「はいなんでしょう」
「私いじめられているの。高校でいじめられている子をかばったら私が標的にされたの。しかも私のときは誰も助けてくれないし」
自分の黒い瞳から涙があふれる。
「辛くなって学校に行けなくなったの」
「そうだったのですね…」
「私からも言わせてもらいます。いじめはよくないことです。それをかばったあなたは勇気があります。だから自分を責めないで。きっと見ている人はいますから」
「ありがとうユリエル」
「ユリネ、今度一緒に町を歩きませんか?」
「町を?」
「少しは気も紛れるかと」
「分かったよ」
明日はユリエルと町を見ることになった。ユリネは久しぶりの町だった。昔は友達とゲームセンターにいったり、クレープを食べたりしたものだ。ユリエルはそこらへん疎いと思う。だから私が説明してあげなくてはと思うユリネだった。
そして待ちにまった町での散策の日になった。ユリエルは白いレザージャケットに白いズボン、白いブーツ姿だった。機械翼はつけていなかった。
ユリネはライラックのワンピースに黒いブーティ、黒い上着を羽織っていた。
(ユリエルは全身真っ白だな…でもモデルみたいだな)
そんな事を考えていた。
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