4人が本棚に入れています
本棚に追加
日曜日。
山田くんが、街を歩いていると、交差点の向こうに先生を見つけた。
声を掛けようとするが、そのまま、固まった。
先生の傍に、橘先生がいた。
二人は、話をしながら信号待ちしている。
山田くんは口を閉じた。
固まった顔のまま、二人に背を向けて、逃げる様に歩く。
青になって、二人が横断歩道を渡って来る。
山田くんは店の看板に隠れて見ている。
二人が、とても親しげに話している。
山田くんは、息をするのも忘れていた。
二人は、大人で。とてもお似合いだ。
自分は、まだ子供で・・。
山田くんは、その場を立ち去った。
何も考えられない。
悲しい。
走り出す。
悲しい。
どうして。
どうして言ってくれなかったの。
付き合ってるなら、付き合ってるって。
先生!
「うっ」
涙が出て来た。
悲しかった。
胸が張り裂けそうだった。
大好きな人に失恋して。
大好きな人に裏切られて。
山田くんは、走って、走って。
どうしても涙が止まらなかった。
翌日、山田くんは、学校を休んだ。
最初のコメントを投稿しよう!