狐の嫁入り

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「結婚したってこの家に住むんだし、行ったり来たりはするけど、今までとそんなに変わらないよ」 「でもね、真帆。真帆はこれから王妃になるのよ? これまで通りって訳には行かないわ」 「そうだね。妖の国の王妃だもんね……頑張るよ、私」 「真帆……幸せにね」  母の瞳にキラリと光るものがある。 「うん……」  思わずもらい泣きしそうになる真帆は顔を伏せた。 「さ、これで完成!」  母は真帆の肩にポンッと手を乗せる。 「ありがとう」  外から雅楽の音色が流れてくる。部屋の外にはヒスイが待っている。  部屋の外へ出るとヒスイが笑顔で真帆を出迎えた。 「真帆……美しいな。このまま誰にも見せず連れ去りたい」 「もう、そんなことしたら大騒ぎですよ?」  真帆は笑いながらヒスイに言う。 「ヒスイさんもとても素適です」 「そうか? ありがとう」  玄関の外へ2人揃って出るとアリッサの両親やアリッサ、フレッド、妖の国の国王と王妃やトカもいた。 「おめでとう、お姉ちゃん、すっごくキレイ……」  アリッサは笑顔だ。 「ありがとう」  皆が笑顔で祝福してくれていた。  雅楽の音色が鳴り響く中、真帆とヒスイは神殿で式を挙げた。  『昔々……あるところに真帆と言う少女がいました。彼女は神力により魔法の国を救い、国を平和にしました。そして、彼女は妖の国の王子と結婚しました……おしまい』
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