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それから少しの時が過ぎて、亜紀とアリッサの父は皆のいる部屋へ入って来た。
「突然親子で押しかけてすみません」
アリッサの父が皆へ頭を下げる。
「いいえ。大丈夫ですよ」
父が返事をした。
「あまり長くお邪魔しても申し訳ないので、そろそろ帰ります」
「え? もう帰るの?」
「当たり前だろう?」
「え……でも……」
アリッサはすがるような瞳で真帆を見る。帰りたくなさそうだ。
「あ、お父さん、お母さん! 今日アリちゃんのこと泊めても良い?」
「ええ。良いわよ」
「良いよ」
「ということで、アリちゃんのお父さん。アリちゃんのことは心配しないでください」
「あ、ああ。よろしく」
そうしてアリッサの父は魔法の国へ帰って行った。
✧ ✧ ✧
夜ご飯を済ませて真帆とアリッサは布団を並べていた。
「アリちゃん、せっかくこっちへ来たのに全然話出来なかったから、急に泊まることになってごめんね?」
「ううん。お姉ちゃんがああ言ってくれて、嬉しかったよ」
「そう?」
「うん!」
2人はそれぞれ布団の中へ入って、話の続きをした。
「明日は日曜日だから一緒に出かける?」
「わぁ! 本当? 嬉し〜」
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