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「そう? 頑張ってね」
「ありがとう」
「お姉ちゃん」
「ん? 何?」
「今度遊びに来ても良い?」
「良いよ。今度はゆっくり遊ぼう?」
「うん!」
✧ ✧ ✧
アリッサは魔法の国へ戻りフレッドに話をした。
「本当にごめんね」
「いや。俺もさ、あんなこと言ってごめんな」
「気持ちは嬉しかったよ」
「そっか」
フレッドは赤い目をしていた。
――もしかして、泣いたのかな?
アリッサは心苦しくなりながらも、気付かないフリをした。
「俺さ、これからも幼なじみとしてアリッサといるから」
「……うん」
「そんな顔するなよ……」
「うん」
「真帆さんに会ったんだろ?」
「え? うん」
「親父さんからアリッサは人間界に行ってるって聞いたんだ」
「うん」
「どうだった? 人間界」
「うん、真帆さんと美味しいもの食べてきた」
「それだけ?」
「え? うん」
「ハハハッ。アリッサは食いしん坊だからな」
フレッドはお腹を抱えて笑っている。
「そんなに笑わなくても良いでしょ?」
「ごめん……ハハッ……せっかく人間界に行ったのに美味しいもの食べただけって」
「良いでしょ、別に」
「で? 美味しかった?」
「うん! パンケーキとミルクティー食べたんだけど、魔法の国では味わったことない美味しさだった……」
「そうなんだ」
アリッサはフレッドのお陰でこれからも、幼なじみとしてやっていけそうに思えた。
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